テラスアイリス / ジルドレ | 安眠妨害水族館

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テラスアイリス/ジルドレ

 

1. テラスアイリス

 

 

ジルドレによる無料配布シングル。

 

実在の殺人事件を楽曲のテーマに扱う彼ら。

アイリス="散り急いだ花"。

本作のテーマは、タイトルから推測できるとおりでしょう。

彼らがこれをテーマに選ぶことで、誹謗中傷を苦にした自死も"殺人"であるという、強いメッセージを感じますね。

 

物悲し気なイントロから重厚なバンドサウンドに切り替わると、激しさを纏って突き進んでいくハードロック。

演奏はとにかく攻撃性に徹しているのですが、ヴォーカルパートについては、表情をコロコロと変えていく印象です。

繊細にメロディを歌っていたり、デスヴォイスで煽り立てたり、ときには語りを交えた演出も。

それらが切り替わるスイッチが瞬間的で、気が付いたら雰囲気が変わっているという、カオティックな構成を助長していました。

攻撃する側と、受け取る側で、同じ事象の見え方が変わってくる。

ドラマティックと呼ぶにも性急すぎるジェットコースター的な展開は、なんとなく、そんなことを示しているのではないかな、と。

 

6月末にリリース予定の1stフルアルバムに向けて、広告的な側面もある無料配布企画。

先行してアルバム曲の中からリカットしたのかな、と思いきや、発表された収録曲を見る限り、アルバムにはこの「テラスアイリス」は含まれないようで。

その意味でも、先物買いで手に入れておきたい1枚でしょうか。

 

<過去のジルドレに関するレビュー>

残された哀の「カタチ」