【独創】/唯
1. レジスタンス
2. シュラノミチ
3. 虚空の部屋
4. 逆さ指輪
5. 荊
6. 二重影
7. 葬りの詩
8. PLANET
9. 路地裏ジャンキー
10. photograph
11. 遠い旅路
12. ユキノシロ
13. LOSER
14. 真夜中衛星
15. カナリア
16. 夢追い人
umbrellaのVo&Gt.唯さんによる1stソロアルバム。
作詞、作曲はもとより、各パートのレコーディングやデザイン、アートワークに至るまで、すべてセルフプロデュース。
まさに「独創」なのですが、配信での公開レコーディングを敢行する等、その実、ファンと一緒に作り上げた作品と言える気もします。
本作は、自身のブランド「路地裏堂」にて、通販限定でのリリース。
流通に乗せないのも、"販売までセルフで"という意識があったりするのかもしれません。
一部はumbrellaの物販にも並ぶようですが、昨今の不安定なライブ事情を勘案すれば、確実に手に入れたいならWebストアへ。
さて、内容については、前身バンドであるLOKI時代の楽曲をセルフリメイクしたもの。
すべて新緑となっており、数々の埋もれていた楽曲たちが2021年のクオリティで蘇るのだから、ファンならずとも要チェックの作品となるでしょう。
umbrellaと比較して雑食性が高いとでも言うのか、想像以上に色々なタイプの楽曲があるな、といったところですが、それで散漫になっている印象は特になし。
むしろ、バラエティー性が確保したことで、全16曲という大ボリュームを、飽きさせずに通して聴かせる作品に仕上げていました。
驚くべきは、楽曲の瑞々しさが、まったく色褪せていないこと。
もともと、流行に飛びつくタイプではなかったのだと思われますが、独自性の高いumbrellaの音楽は、この頃から地続きで唯さんの中には存在していたのだ。
オリジナルは、何年経ってもオリジナル。
そう主張する現役感バリバリの歌モノたちは、ゆっくりと耳から心に染み渡り、溜まっていたどす黒い感情を洗い流してくれるよう。
柔らかい音像の中には、凛とした力強さも感じ取ることができ、パワーを貰えるアルバムですね。
"決して人間は完全なものではない"という想いを表現したアートワークが代弁するとおり、不完全な未来に一歩踏み出す背中を押してくれそうな1枚。