Execution/RuinariA
1. 和風SE
2. Execution
3. Voice ~Live~
福岡を拠点に活動していたRuinariAのデモCD。
解散はしていないようですが、実質的に活動は止まっているのでしょうか。
本作は2013年、初代Vo.Ziklさんの在籍時に残した作品。
白地のCDRに、簡易カードが付いた簡素な仕様で、アーティスト写真、バンドロゴ、収録曲名が記載されているのみ。
CDタイトルや、歌詞、クレジット等の記載はありません。
仮タイトルをそのまま持ってきたような「和風SE」は、最初の20秒ぐらいは確かに和風。
その後、1分半ほどはデジタル感の強い登場SEが続くので、狙ってはいないのでしょうけれど、ツッコミどころになっています。
メインとなる「Execution」は、前身バンドである輪舞曲時代から存在する代表曲。
サビにフックのある王道的なナンバーで、疾走感を意識しているのは良いのですが、勢いがありすぎて走り気味ですかね。
ギターソロも少し不安定で、まずはライブの定番曲を形にした、といったところ。
ヴォーカルチェンジ後の作品は、音圧が向上しているようなので、本作はあくまでデモ音源だったのだなと。
ライブ音源で収録された「Voice」についても、ドラムが走る走る。
もともとスピーディーな楽曲ではあるのだけれど、メロディアスな場面でもノンブレーキでスピードを増していくので、ある意味でスリリングでした。
イチゼロ年代以降の作品で、このアナログな感覚は、地方バンドならでは。
昨今はデモ音源でもお店に並ぶCDと大差ない品質の作品が増えましたが、かつては、このお世辞にもクオリティが高いとは言えない原石たちから、磨かれれば宝石になりそうなバンドを見つけ出すのが楽しかったりしたのですよ。
大半は原石のまま終わってしまうのだけれど、こういうバンドがひとつでも化ければ、というロマンを与えてくれる。
そんなノスタルジーを思い出させてくれそうな1枚です。