Ne'phesh/JE*REVIENS
1. Delight
2. 緋色の思い
3. 時間の砂
4. 郷愁～ノスタルジア～
5. Garden of E'den
6. 始まりの終わり
7. 落日に口吻
1998年にリリースされた、JE*REVIENSの1stアルバム。
ex-DeshabillzのGt.SHI-NOさん、Dr.KAZUKIさんらが結成したバンドとして話題になった彼ら。
解散後、Syndromeへの加入を経て、Dを始動するVo.浅葱さんが在籍していたといったほうが現在ではわかりやすいのかもしれません。
本作のリリース後、KAZUKIさんは脱退。
Due'le quartzやバビロンに活動の場を移していきます。
2ndアルバム以降は、JE*REVIENS名義での作曲が増える彼らなのですが、本作は、実に６曲が.SHI-NOさんの楽曲。
ダークに疾走するナンバーが大半を占めており、スピード感に溢れた作風となっています。
インパクトの大きいリフと、キメの多いリズムは、Deshabillzを彷彿とさせる要素。
ファンをニヤリとさせる一方で、作詞を担当する浅葱さんが旋律にも噛んでいると思われ、メロディラインは大幅に変化。
癖の強い浅葱さんの歌い方も相まって、まったく別物に聴こえてしまうのだから、面白いものですよね。
悩ましいのは、メロディアス性が武器になったことで、王道感が増しすぎてしまったこと。
最初から最後まで疾走し続けて、ヴィジュアル系リスナーにはたまらないフレーズが至るところに。
パーツごとに見ていけばレベルアップと言えるし、予備知識がなければ手放しで喜ぶ内容だったはずなのだけれど、一点に研ぎ澄ませるタイプのDeshabillzと比べると、どうしてもインパクトが弱く映ってしまうのがもったいない部分でした。
冷静に再評価すれば、歌謡要素を強めたり、ギミックを増やしてみたりと、バラエティ性を広げる工夫もしっかりやっている。
あとは、もうひとつ確固たる個性を持ちたかったといったところですが、浅葱さんの歌い癖さえ気にならなければ、全曲勢いで聴くことができる初期衝動に包まれた１枚と言えるでしょう。
＜過去のJE*REVIENSに関するレビュー＞