架空ノ人々/ミサ
1. 架空ノ人々
2. 静止画像
3. 歪んだ湖面 (Inst)
4. 蘇生?
5. 虚構ノ主
6. 撲殺
7. 幻聴世界
8. 「形」 (Inst)
9. 違和感持つ間奏
Da'vidノ使徒:aLやAioria、BABYLON等に在籍したミサさんが、1998年にリリースしたソロCT。
カセットテープながら、9曲入りというアルバムサイズ。
表題曲である「架空ノ人々」は、途中でフェードアウトするショートヴァージョンとなっているのだけれど、これは収録時間の制約によるものだったのか、正式音源として別途リリース予定だったのか。
いずれにしても、全曲が完全盤となったCDが発表されていれば、再評価の機会も増えただろうに、と惜しまれる作品ですね。
音楽性としては、低音に響くダークな歌声と、クラシカルなフレーズを組み合わせたミサ節が全開。
バンドが変われど、そこで生み出す楽曲のスタイルは大きく変わらないミサさんですから、言ってしまえば想像通りのサウンドではあるのですが、当時はDa'vidノ使徒:aLの独自性があまりに強かったせいで、それでも正統派に聴こえていたから面白いものですよ。
シンセを主体にしつつ、アレンジはバンドサウンドに近づけて。
90年代の打ち込み特有の質感が、今となっては独特の味わいとなっていました。
タイトルだけを見渡しても、なんともシュールというか、ミサさんの独特の言語観が見て取れる。
個性的な歌声と、様式美な楽曲構成の中に、しっかりヴィジュアル系リスナーに刺さる疾走感やメロディアス性をもたらしているのも、センスの良さを感じさせます。
好き嫌いははっきりと分かれますが、似ているアーティストがいないだけに、根強いファンも多い彼。
ここまでがっつりと世界観に浸れる作品は、実はそんなに多くないため、ファンにとってはマストアイテムとも言える1本なのでは。
ちなみに、サビのメロディが似ているのだけれど、「蘇生?」はAioriaの「瑠璃蝶」の元ネタだったりするのかな。