Folklore/ラヴェーゼ
1.「Folklore」
2. Betrayal
3. Desperate destiny
4. Amaryllis
5. Worthless
6. Imperial Propaganda
7. Feces
8. 零愛
9. NIGHTMARE
10. Lust
11. Period of tragedy
12. REBOOT
13. 偽りのディストピア-Folklore Ver.-
14.
2019年、999枚限定でリリースされたラヴェーゼの1stフルアルバム。
個性的に振り切るよりも、王道をぶち抜くスタイルを選択した彼ら。
いわゆる"コテコテ系"バンドの矜持を、ひとつ上の段階に引き上げたのが、この「Folklore」と言えるでしょう。
ダークな世界観と、ハードなサウンドという武器はそのまま。
その中で、"コテコテ系"の解釈を広げて、アルバム全体のバラエティ性を高めていたのですよ。
例えば、実質的なスタートに配置された「Betrayal」は、メタリックな音像に、デスヴォイスによるシャウトを用いる現代風のアプローチ。
一方で、疾走感を出してメロディアスに展開される「Worthless」は、"古き良き"とも言われるアプローチを採用しています。
どちらもコテコテ系の王道的な音楽性として認識されているのですが、時代感はバラバラ。
これらを共存させているケースはありそうでなかった感もあって、ニッチな特徴を生み出していました。
もちろん、テンポやアレンジによって差異化している部分もあって、複合的に、次に何が出てくるかが読みにくい。
ベタ寄りのイメージも強かった彼らの音楽性で、このワクワク感を味わえるとは。
歌声にやや垢抜けなさが残っている等、課題がすべて解消されているわけではありませんが、気持ち悪さも演出となるような世界観を好むコテコテ系の場合、それも味わいになったりするわけで。
いずれにしてもヴィジュアルから想像するサウンドを裏切らないラヴェーゼ。
アートワークにもインパクトがある1枚です。