deep sea [SADNESS]/ARcaDia
1. deep sea [SADNESS]
2. 久遠は尊く散る
ライブ会場と通信販売にてリリースされたARcaDiaのDEMO CD-R。
緋表紙盤、蒼表紙盤、デモテープの3形態でのドロップ。
緋表紙盤は会場限定盤の位置づけだったようですが、期間限定で通信販売にも対応。
デモテープは21本限定と生産数が少なく、こちらは即日完売となったようです。
収録曲は、いずれも共通。
ただし、デモテープでは「久遠は尊く散る」のほうがSide Aとなっており、こだわりも見られますね。
「deep sea [SADNESS]」は、 Gt.裕 -Heero-さんが作曲を担当しているのですが、 Gt.奏楽 -Sora-さんが旋律を乗せたうえでVo. 緋璃 -Akari-さんが作詞をするという、変則的な役割分担。
そのためか、メロディの乗せ方に癖が出ていて、スタートともに展開されるサビのフレーズは耳から離れません。
特に、[SADNESS]の部分の歌い回しから、シャウトで煽る流れについては、古き良き名古屋系バンドを彷彿とさせながらも、狙って90年代を再現するバンドたちがあえて拾ってこなかった部分でもあって、これを持って来れた時点で勝負あり。
高音と低音をヌラヌラと動き回る歌メロや、主張の強いギターが、ほどよいベタさと、絶妙な気持ち悪さをなぞっているので、ついつい何度も聴いてしまうのですよ。
「久遠は尊く散る」については、奏楽 -Sora-さんがコンポーズ。
よりストレートに90年代を意識した疾走メロディアスチューンに仕上げています。
イントロは一瞬だけヘヴィネスを重視するのだけれど、それはブラフと言わんばかりに開けた展開が続くから面白い。
緋璃 -Akari-さんの艶っぽい歌声も、華やかな楽曲に負けることなく、彩を添えていました。
個性としては「deep sea [SADNESS]」に軍配が上がるが、こちらもシングルとしての存在価値は十分。
デモテープではリードトラックに据えられているのも妥当だと言えるでしょう。
約20年ぶりの復活を遂げてからは、現役時代の楽曲の音源化やリマスターが主軸だったARcaDia。
2021年、まさか正真正銘の新曲を聴くことができる未来が待っていようとは。
<過去のARcaDiaに関するレビュー>