Q/Vanilla
1. カーニバル
2. 深海
3. asymmetry~in fact side『Q』~
2002年に発表された、Vanillaの2ndシングル。
ex-Fatima、オトガデッドのGt.Zenさんがヴォーカリストとして在籍。
ex-PlatinA Forest、Creature CreatureのGt.忍さん、ex-After effect、ex-ヴィドールのGt.HIDEさん、ex-PlatinA Forest、Moi dix MoisのBa.クロ・コスギさんと、なかなか豪華なメンバーが揃えられていて、結成時は大きな話題を集めた彼ら。
本作は、2ヵ月連続でリリースされた"Q&A"シリーズの「Q」盤です。
1stシングル「サガシモノ/小さな願い」と同様に、3,000枚限定でのリリースでした。
リードトラックとなる「カーニバル」は、忍さんが作曲を担当したVanilla流のダークチューン。
不協和音を巧みに使って、お洒落で大人びたサウンドに、どこか棘のある雰囲気を足しています。
ツインギターのアレンジが個性的で、ザクザク切り込みながらも、フレーズとしてはスマートさを失わない絶妙な塩梅。
「深海」は、Zenさんがコンポーズしたミディアムナンバーで、ヴォーカルラインとしてはもっとも安定しているかと。
リズムとなるサウンドはヘヴィーである一方、ギターが浮遊感を演出しており、「深海」とはよく言ったものですよ。
「asymmetry~in fact side『Q』~」と、「A」盤に収録された「asymmetry~in fact side『A』~」は、同じオケに、それぞれ視点の異なる歌詞を載せた連作。
こういった試みが入ると、連続リリースや"Q&A"のコンセプトの意味合いが明確になりますね。
当時言及されていた通り、Zenさんのヴォーカリストとしてのスキルがまだ未成熟で、ピッチが不安定なのが気がかりではありますが、相変わらずのお洒落さで、ポップなテイストを強めてもVanillaはVanilla。
自らの音楽性が、しっかりと確立していることをアピールしていました。
アレンジセンスやアイディアは秀逸なので、今復活したら、化学反応を起こす可能性は十分にあるのでは。
<過去のVanillaに関するレビュー>