BEAM/spam_life
1. BEAM
2. ラウンド アンド ラウンド
3. in the world
4. days
5. Asian, Travellin, Disco,
6. 404 Not Found
7. re:play
8. あの日の約束
9. once again
10. ペーパーグライダー
11. ストレージ
2007年にリリースされた、ex-OZWORLDのGt&Vo.日暮和広さんによるソロワークスの1stアルバム。
OZWORLDの解散後、ex-LAID、KINGのVo.RYOさんらとLYCHEEを結成するも、1年で活動休止。
その後、ソロ活動の場として立ち上げたのがspam_lifeでした。
ライブではサポートメンバーを迎えていましたが、レコーディングについては、ほぼセルフで実施。
日暮さんのマルチな才能が発揮された、集大成的な1枚です。
音楽性としては、打ち込みを多用しつつ、生音と有機的に絡めたハイブリッドなポップロック。
キャッチーではあるけれど、マニアックな要素を至るところに張り巡らしており、決してベタには収まらないところにこだわりが伺えますね。
「Asian, Travellin, Disco,」が最たる例で、中華風のサウンドやメロディを駆使しつつ、ポップスとして成立する絶妙なラインを見出そうとしており、なんとも独創的。
解決法としてラップ調のパートを取り入れるなどの柔軟な発想も、彼のコンポーザーとしてのセンスの良さを端的に表しているのではないかと。
ヴォーカリストとしては、まだ垢抜けていない感があり、やや一辺倒。
OZWORLDでツインヴォーカルを担っていたこともあり、音程は相応に押さえているものの、全編をひとりで歌うとなると、もう少し表現の幅がほしかったところでしょうか。
デジタルポップが主流ではあるので、演出として意図的に平坦にしている部分もあったと推測されますが、結果的には、コンポーザーに専念し、表現力のある歌い手と組むことで真価を発揮するタイプのアーティストだったと言えるのかも。
とはいえ、曲の良さは折り紙付き。
聴けば聴くほどに発見もあり、ほんのり異質なポップスサウンドが好きであれば。