Dear Stars. / IOLITE -アイオライト- | 安眠妨害水族館

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Dear Stars./IOLITE -アイオライト-

 

1. Stars

2. Reload

3. HOME

4. Finale (Unplugged Ver.)

5. 無題 (Unplugged Ver.)

6. Sink-Sink

7. 人間のカタチ

8. Rain (Loop Station Edit Ver.)

9. 空の空 -kara no sora-

10. 此処に残ることを選んだ者 (Unplugged Ver.)

11. Stars (Unplugged Ver. / Remastering)

 

 

活動休止中であるLament.のVo.悠歌-youka-さんによるソロプロジェクト、IOLITE -アイオライト-。

本作は、通信販売にて先行リリースとなった1stフルアルバムです。

 

サポートメンバーに、Gt.杏太さん(ホタル)、Ba.山本伸彦さん(Purple neon suicides)、Dr.キリさん( luin、...。【サイレンス】)を迎えての制作。

当初は、2020年3月にライブ会場限定でのリリースが予定されていましたが、コロナ禍によるライブの延期により、7月になって通販での取扱が開始されました。

数量限定で、タイトルのとおり星がモチーフとなったキーホルダーがノベリティとして付属。

作詞作曲は、すべて悠歌-youka-さんが担当しています。

 

「Stars」ではじまり、「Stars」で終わる構成。

それ以外の楽曲にも、夜の暗いイメージと、それを照らす光のイメージを感じることができ、とてもコンセプチュアルに仕上がっている印象ですね。

作風としては、ミディアム調の歌モノが中心。

アレンジはシンプルなのですが、表現力の高いヴォーカリゼーションにより、情景が浮かんでくるようです。

 

本作の特色としては、Unplugged Ver.での楽曲が、五月雨式に挿入されていることでしょう。

アクセントとして1曲だけ差し込む演出ならば、そこまで珍しくもない。

ボーナスディスクにアコースティックアレンジの音源を付属する企画も、最近では増えてきました。

しかしながら、本編全11曲のうち、4曲もUnplugged Ver.というバランスは、あまり例がないのではなかろうか。

ともすれば流れを損なってしまう恐れもあったはずですが、それを個性として昇華しているのが、本作の肝と言えるのですよ。

 

もともとの音楽性が親和性が高いというのも、もちろん自然な流れになっているファクターのひとつ。

それに加えて、作品全体でのストーリー性、ドラマ性があることで、静かめの楽曲が続いたとしても、大局的な視点でのメリハリの一部として受け入れることができてしまうのだ。

むしろ、ある種、"歌"に集中して聴くことができるアレンジこそ、本作においてはメインディッシュ。

おまけやアクセントではなく、明確な役割を求められて存在している事実が、この異質な配置を武器に変えているのかな、と。

 

象徴的な「Stars」はもとより、「HOME」、「人間のカタチ」、「空の空 -kara no sora-」など、リードトラックであっても違和感がない佳曲が多い点もポイントで、世界観重視の歌モノが好きであれば。

派手さはなくても、コクがある。

後期ROUAGEあたりが好きなリスナーであれば、案外ハマってしまうかもしれない1枚です。