心臓-SINZO-/MARRY+AN+BLOOD
1. 「堕・落」 -DARK･STAR-
2. 心臓
1999年にリリースされた、MARRY+AN+BLOODの1stCT。
1st Pressは青ケース+青カセット、2nd Pressは透明ケース＋黒カセットという仕様です。
Soleilレーベルに所属していた彼ら。
Vo.KAMIYAさんは後に神崎名義でRIBBONを結成します。
本作は、単独音源としては初のリリースとなり、1st Pressの1,000本を早期に完売させる等の勢いを示す作品となりました。
『「堕・落」 -DARK･STAR-』は、メタリックなギターリフからスタートする疾走チューン。
イントロはハードでスピーディーに展開されるのですが、KAMIYAさんの歌声が入ると、ヴォーカルを引き立てるようなアレンジに変貌。
緩急をつけつつ、サビで開けてメロディアスに、という王道的な構成がたまりません。
彼らの強みは、何といってもKAMIYAさんの艶やかな歌声と、それを最大限に活かすメロディの良さ。
歌唱力としては、そこまで安定感があるタイプではないのだけれど、その危うさすら武器にしてしまうほどに音楽性や世界観とマッチしていて、それを一発目で見せつけたという点で、本作の価値は決まったのかなと思いますね。
表題曲である「心臓」は、ヘヴィーな方向性も探っていきます。
今となってはひとつひとつがベタなフレーズになってしまった部分はありますが、Bメロで重苦しいリフに語りを重ねて、サビでの爆発力を誘うアクセントに。
これが実に効いていたと言いますか、『「堕・落」 -DARK･STAR-』との差異化にもなり、メロディアス性もより印象的になったので、当時のリスナーに鮮烈なインパクトを残すことに成功しました。
なお、『「堕・落」 -DARK･STAR-』は、解散後にリリースされたミニアルバム「天使禁猟区」では、"墜落/DARK･STAR"との表記に。
メンバーの意向やチェック体制がどれだけ働いていたかは微妙なところですが、"墜落"は誤植と思われます。
こういうこともあるので、MARRY+AN+BLOODについては、正式なCD音源を残して欲しかった、に尽きますな。
＜過去のMARRY+AN+BLOODに関するレビュー＞