アオイヤミ/Purple Stone
1. アオイヤミ
2. Break the World
関西を拠点に活動していた3人編成バンド、Purple Stone。
本作は、2015年にリリースした2ndシングルです。
流通盤と、ライブ会場限定盤が存在しており、それぞれカップリングが異なる仕様。
「LIGHT BLUE」が収録されており、白地に青字のジャケットとなるのが通常盤。
それを反転させて青地に白字の限定盤では、収録曲が「Break the World」に差し替えられています。
1stシングルがチャラついた印象の「甘酸っぱいマンゴー」だったのに対して、飛び出したのはエモーショナルでメッセージ性の高い楽曲。
ノリを意識したり、タブーを排除したり、といった戦略性を一旦無視して、衝動的に制作した楽曲とのことで、疾走感を活かしたリズムと、切なく突き刺さるメロディには、思わず引き込まれました。
アクセントとして加わるキラキラしたデジタルサウンドも、彼らのイメージとマッチしているのでは。
Vo.keiyaさんのハスキーな声質は、実はこういう楽曲にも映える。
ときどき声が掠れるのだけれど、それが妙に焦燥感を駆り立ててグッとくるのですよ。
ストレートに疾走しているように見えて、7拍子のパートが挿入されていたりと、テクニカルな要素も充実。
耳馴染みの良さを保ちながら、何気に凝ったことをしているから面白いです。
ライブ会場限定盤に収録された「Break the World」は、ロックテイストが強いナンバー。
ミディアムテンポではあるが、リズミカルな演奏によって、ゆるさはあまり感じません。
シタールやら、和楽器やら、スクラッチ音やら、自由度の高いプログラミングが味となっていて、何度も聴いてどんな音が入っているかを確認したくなってしまう。
カップリング曲らしいマニアックさですが、こういうところに実はバンドの本質が見えたりするのですよね。
サビでのカタルシスも気持ちが良い。
残念ながら、Purple Stoneは2018年に解散。
とはいえ、なかなか粒ぞろいの作品ばかり。
埋もれさせてしまうには惜しいな、と。
会場限定盤は入手困難かもしれませんが、興味が沸いたら手に取ってみてほしい1枚です。