ペサ・シェルヴェルゼル/-真天地開闢集団-ジグザグ
1. 復讐は正義
2. きちゅねのよめいり
3. 顔が好き
4. 五月ノ雪
5. キーウィの旅
-真天地開闢集団-ジグザグの音源集。
5曲入りで1,500円というロープライスも相変わらずで、手に取りやすくなっています。
サウンド的には、和楽器風の音色を用いて、和風テイストに統一。
それなのに、こうもベクトルが異なった楽曲が取り揃えられるのか、と感心させられます。
言ってしまえば、バラバラで散漫。
真面目も不真面目も脈略なくごちゃまぜといったところなのですが、結局、どれもが彼ららしい総括できてしまうのですよ。
「復讐は正義」は、3分に満たないソリッドに駆け抜けるロックチューン。
切れ味が鋭く、怨念めいた激しさが、いつになく格好良いジグザグを演出しています。
言葉を畳み掛けて、メロディアスさをも生み出しているサビが秀逸。
余韻を残して、スタートダッシュを決めていました。
対して、もうひとつのリードトラックとなる「きちゅねのよめいり」は、可愛らしさを狙ったようなポップナンバー。
まさに「復讐は正義」とは対極にある楽曲で、この順序で大丈夫なのかと、ある種のインパクトも残していましたよ。
もっとも、流れを完全に無視して、ここまで振り切ってアイドルポップスに徹してしまうことができるのが、ある種、彼らにとっては強みなのでしょう。
なんだかんだで、ギャップが薄れてきたら中毒的にハマってしまった感はありますもの。
その他の3曲も、やはりタイプは様々。
一定層にだけ特別に共感されるであろう「顔が好き」、いつになくシリアスに歌い上げるミディアムバラード「五月ノ雪」、アコースティック調であっさりと終わらせようとする「キーウィの旅」と、なかなか被りません。
真面目な楽曲かと構えると、ネタ色の強さに一気に持っていかれる。
ネタかと思っていたら、大真面目だからそのギャップにグッとくる。
そんな配置になっていて、散漫に見える曲順にも、もしかしたらそんな意図があったのでは。
最後の「キーウィの旅」が、1分弱というショートチューンだったこともあり、ややボーナストラック的な感覚。
トータルでのボリューム感は、少し物足りなさが残るというのが本音です。
とはいえ、どんなベクトルであっても、きちんと自分たちのサウンドに落とし込んでしまうセンスはさすが。
内容も良く、コストパフォーマンスも悪くないということであれば、耳にしてみる価値はあるのかもしれません。
<過去の-真天地開闢集団-ジグザグに関するレビュー>