ろのくろちゃん / RoNo☆Cro | 安眠妨害水族館

安眠妨害水族館

オバンギャと初心者に優しいヴィジュアル系雑食レビューブログ

ろのくろちゃん/RoNo☆Cro

 

1. 暴走行為No.1

2. とあるWrath

 

"ウルトラハッピータイム"をテーマに2012年~2016年に活動していたRoNo☆Cro。

本作は、2014年に3ヶ月連続リリースの第二弾として発表されたシングルです。

 

A5版サイズの80Pにおよぶ写真集と一体になっており、どちらかと言うとCDがおまけといった印象。

連続リリースの真ん中だけ異色な形態でのリリースというのも、なんだか珍しい気がしますね。

 

2曲とも、作詞をVo.Minamiさん、作曲をGt.メロさんが担当。

どちらも、Minamiさんの中性的な歌声を活かしたポップロックに仕上がっています。

「暴走行為No.1」は、ダークで激しいイントロでスタートする疾走チューン。

タイトル的にも、ハードな楽曲が来るのだろうと予測はしていましたが、Bメロぐらいから完全にポップに振り切る気満々なのがRoNo☆Croの流儀。

サビだけ聴けば、セツナポップというイメージのほうが強くなるでしょう。

 

「とあるWrath」については、イントロからポップ度合いを高めに。

歌詞を踏まえれば、ハッピーというよりも切なさのほうが勝るのですが、サウンドメイクとしてはポップど真ん中を狙って。

彼らのコンセプトを、音で表現しているといったところでしょう。

流れるように早口で畳みかけるサビにインパクトがあり、耳にも残りやすいですな。

 

声を張り上げたりするのではなく、特徴的な歌声でさらりと歌うスタイルが癖になる。

淡々としていて、表情豊かとは正反対ではあるのだけれど、それがかえって現代的な若者の日常感がよく出るというか、それがひとつの表現方法になっている気がして、面白いです。

どちらの曲にも寸劇が挿入され、内容的にも演技的にも雑というか素人臭いというか、この部分については賛否両論わかれそう。

ここでもう一歩、世界観を深める後押しに使えていたら、もっととっつきやすいと思うだけに、もったいないなと。

 

写真集と一体化になっている関係で、2曲入りのシングルにしては高めの設定。

ただし、解散してからしばらく時間が経っていることもあり、投げ売り価格で入手可能な場合もしばしば。

入門書とするかどうかは置いておいて、付加価値の多さにお得感を感じる層であれば、手にしてみてもいいかもしれません。

 

 

⇒ この作品を聴いた人はこんな作品もおススメ! 

 

†まくろまたー†/ユメリープ

†まくろまたー† †まくろまたー†
2,700円
Amazon

 

詳細なレビューは<こちら
ハードなサウンド、キャッチーなメロディ、中性的で無機質な歌声。
案外、共通点は見られるのではないかと。
もっとも、ユメリープはダークメルヘンな世界観を得意としており、更に世界観に入り込みたいリスナー向け。
最近、不本意な形で目立ってしまうこともありましたが、まだまだポテンシャルを秘めているバンドだと思っていますので、期待値を込めてご案内させていただきます。
RoNo☆Croばりにポップな曲も似合うと思うのだけれど、いつかそんな振り切り方も見せてくれるのでしょうか。