HEAVEN’S MARKET/FAIRY FORE
 |
HEAVEN’S MARKET(CCCD)
Amazon |
1. Merry-Go-Round
2. LOVE SICK
3. BODY DOUBLE
4. 積み重ねたDejavu
5. School Days
6. Tear
7. ジェット
8. Mr.BADMAN
9. VIVID
10. untidity
11. VIRGIN
12. SEXUAL EXCITEMENT
FAIRY FOREが2002年に発表した1stフルアルバム。
エイベックスからのリリースとなり、彼らにとって唯一のメジャー期におけるアルバム作品となりました。
インディーズ時代に比べると、ポップロック色に振り切った印象。
４枚のシングル曲が含まれていますが、そのほとんどにアニメのタイアップが付くなど、相応にプッシュもされていた彼ら。
路線の明確化は戦略的なものであったと見られます。
ただし、メジャーデビューによって大衆化した、というのとも少し趣が異なる。
もともとポップセンスには強みを持っていたのは間違いなく、テコ入れというよりも、むしろブラッシュアップ。
癖のあるVo.現王園崇さんの歌声を活かすスタイルを目指すため、音楽性を洗練させていった結果ともとれるのですよ。
実際、ポップさが徹底されて魅力が半減したかと問われれば、そうではないと答えるもの。
本作を象徴しているのは、トップバッターの「Merry-Go-Round」でしょう。
軽快に駆け抜けて、ロックバンドっぷりをアピールすると、サビでは突き抜けてキャッチーに。
そのうえ、サウンドについては骨太で硬派。
ポップの中にもロック魂を見せつけるスタートダッシュとなっており、磨き上げたポップネスは、格好良さとして昇華することもあるのか！と驚きましたよね。
また、後半に進むにつれて、「Mr.BADMAN」、「VIRGIN」など、そこに趣味的な要素が強く重なる音楽性も披露。
特に、掛け合いにより男らしさを見せた「SEXUAL EXCITEMENT」は、この手のバンドのラストとしては珍しく、激しさを持ってクロージングしていきました。
盛り上がりどころには、シングル「LOVE SICK」、「BODY DOUBLE」、「VIVID」、「ジェット」の４枚をきちんと配置。
ロックな演奏に、J-POP的な歌謡ポップロックというスタイルもすっかり身に着けており、なかなかのポテンシャルを秘めていたな、と。
悪名高いCCCD仕様というのが、ある種のネック。
デビュー時点でソフビ全盛期を終えていて、エアポケット的な時期だったのももったいないですな。
とはいえ、ポップロックバンドとしてのクオリティが高いのは事実。
あまり語られないからこそ、コアなリスナーであれば知っておきたい１枚です。
＜過去のFAIRY FOREに関するレビュー＞