珠梨亜/Quiet(静寂)/堕天使Tokyo
1. 珠梨亜
2. Quiet(静寂)
69.
Ant1nettのボーカリスト、Masanori Yabukiさんが"弥舞姫悪魔"名義で在籍していた堕天使Tokyo。
本作は、唯一の単独CDとなるシングルです。
「珠梨亜」は、ビートロック調のアッパーチューン。
過去の楽曲も後継バンドで使いまわすことが多いYabukiさんですが、これだけは本作でしか聴けないのかな。
シンセの使い方に時代を感じますが、実際、20年以上前の作品ですので、そこを突っ込んではいけないでしょう。
もっとも、それ以上に突っ込むべきは歌い出しで突然登場する女声ボーカル。
ワンフレーズだけの参加にも関わらず、それなりに歌唱力がありそうな貫禄を感じることができ、インパクトが大きい。
ハスキーなボーカルに、ヤンクロック的な世界観、台詞調のフレーズを時折織り交ぜるアプローチなど、天然で氣志團などに通じる音楽性になっていて、時代的な古臭さを味わいと割り切れれば、案外格好良いです。
その後のYabukiさんの耽美でクラシカルな音楽性を先に知っていれば驚くのではないかと。
もう片方の「Quiet(静寂)」は、賛美歌以降でも演奏されている"らしい"楽曲ですね。
世界観も一気に耽美に寄せているのでギャップが激しいのだけれど、イメージ通りなのはこちら。
鍵盤をメインにしたスローなナンバーで、耐性がないと厳しいものの、変なこだわりを出しておらず、ストレートなミックスなので、むしろその後のバージョンより聴きやすいという側面もあったりして。
なお、69トラック目にシークレットトラックが収録されています。
特徴的なシンセのサウンドと、語りを中心とした構成のショートチューン。
感覚としてはサビがきそうなタイミングで、何故か「珠梨亜」のイントロが流れて終わるという。
もしかしたら、完成形の楽曲があったのかもしれませんが、解散により表に出ずといったところだったのでしょうかね。
カルト的なV系リスナーにおけるコレクターズアイテム。
モダンなアレンジに再構築して、Ant1nettで披露してくれないかな、とこっそり思っていたりします。