Sleepless in Japan Tour@ゼビオアリーナ仙台(2019.3.2) | 安眠妨害水族館

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[ALEXANDROS]の全国ツアー、「Sleepless in Japan Tour」の仙台公演に行ってきました。

2018年末からのライブハウスツアーと、この日からのアリーナツアーの二本立て。

地元でアリーナライブを見るのは、実ははじめてだったりするかもしれません。

ネタバレがあると思いますので、これから別会場の公演に行く予定の人はご注意を。

 

最新アルバム「Sleepless in Brooklyn」のレコ発ツアーということで、ニューヨークをテーマにしたステージセット。

開演前から照明演出で街の風景が照らし出されており、窓の向こうを女性や猫の影が通り過ぎたり。

待ち時間から飽きさせない工夫が散りばめられていました。

 

セットリストは、最新アルバムから全曲を網羅しつつ、代表曲、定番曲を織り交ぜる構成。

レア曲も何曲か披露され、特に「Follow me」はライブ初披露だったのだとか。

ライト層もコア層も集まりやすい地方でのツアー初日ということを勘案すれば、ベストなバランスでの選曲と言えるでしょう。

個人的には、前回見に行った「NO MEANING」と大幅に曲が入れ替わったこともあって、聴きごたえがあったなと。

 

その「NO MEANING」にて新曲として演奏されていた「LAST MINUTE」は、アルバムに収録され、ライブで揉まれ、だいぶ印象が変わって聴こえました。

それは「She's very」、「starrrrrrr」といった聴き慣れた楽曲にも言えることで、単純にアレンジによる部分だけではなく、演出によって楽曲の新たな一面を引き出したということなのだろうな。

照明の当て方ひとつをとっても1曲ごとにアプローチが全然異なっていて、ピンスポやストロボを効果的に使って視覚を誘導。

狭いライブハウスでは味わうことができない奥行きを活かした演出は、序盤の数曲だけで、十分に非現実世界に引き込んでくれます。

 

もちろん、「Kill Me If You Can」のように、アレンジそのものの変化で魅せる楽曲もあって、驚きのポイントを少しずつズラしていくのも上手い。

衝撃に慣れることなく、次々と新しいアイディアを提供してくれる総合演出の妙。

「PARTY IS OVER」では、街並みのセットを活かしたプロジェクトマッピングが施されたり、「SNOW SOUND」では照明の雪が降ったり。

ゴリゴリとしたバンドサウンドで攻める「Kaiju」からのパートで、まさかバルーンが登場するなんてのも、いったい誰が想像できただろうか。

加えて、長いMCこそないのですが、Vo.川上洋平さんのオーディエンスを乗せる一言、一言の煽りも手慣れたもので。

演出優先で小奇麗なパフォーマンスに終始しているかと問われれば、まったくそんなことはなく、泥臭いライブ感もしっかり持ち合わせているのですよ。

 

特筆すべきは、「You're So Sweet & I Love You」。

花道の先にある中央ステージに、天井からドラムセットとキーボードが降りてくる大掛かりな仕掛け。

最初は川上さんがひとりで立ち、アコースティックギター1本で歌い出すのだけれど、途中でGt.白井眞輝さんが参加。

サポートKey.ROSEさん、Dr.庄村聡泰さんとセッティングし、最後にBa.磯部寛之さんが入って、フルメンバーになるという構成は、ベタではあるのだけれど、グッと引き込まれるのも事実で、これをするためにアレンジを変えてしまう貪欲さにも感心してしまいます。

 

「Fish Tacos Party」では、磯部さんがボンゴ、白井さんがコンガを演奏し、打楽器3人と川上さんという特殊編成で前奏を。

なんともコミカルな演出で空気が軽くなるのだけれど、それは「Your Song」への布石だったのだな、と。

この「Your Song」が、とにかく印象的でした。

後方に3つ設置されたスクリーンの両サイドにオリジナルのMVを、中央に歌詞を表示。

照明は暗めに設定され、メンバーよりも映像を見せる形で、「Your Song」に込めたメッセージを表現していきます。

優しい歌、寄り添う歌。

歌っている内容はとてもシンプルなのだが、映像との相乗効果で、自然と涙が零れそうになる。

ライブ映えする曲ではないと決めつけていた自分を恥じると言いますか、いやいや、これこそライブで化ける曲でしたね。

これは是非、会場で体感してほしいです。

 

アンコールでは、導入的な「Burger Queen」と、ライブ感たっぷりの「city」を立て続けに。

特効の爆発により、歌詞まで吹っ飛ぶというハプニングもありつつ一体感を高めていくと、再び中央ステージに集まっての「ハナウタ」。

この曲、プラネタリウムで聴いて、なんて星空が合うんだと思っていたのですが、アリーナでもそれと近い感覚がありました。

広い会場に映える。

野外のフェスで聴いても心地よさそうです。

ラストは、お約束の「ワタリドリ」で大団円。

全国区となるキラーチューンの盛り上がりは、やはり半端じゃありません。

 

次の公演に繋がる映像だったり、アメコミ風のクレジットがあったり。

会場の外にはフォトスポットも、と終演後も盛沢山。

アリーナツアーの初日が地元というだけで、なんだか縁を感じるのですが、大きなトラブルもなく、ぎこちなさもなく、良いテンションでライブに臨んでくれているのも嬉しかったですね。

これを踏まえて、改めて「Sleepless in Brooklyn」を聴き直すと、新たな発見もありそうで。

体験や記憶をサウンドに結び付ける、音楽の醍醐味を感じるライブでした。

 

1. LAST MINUTE

2. She's very

3. starrrrrrr

4. I Don't Believe In You

5. Follow me

6. spit!

7. Kill Me If You Can

8. O2 (instrumental)

9. Come Closer

10. PARTY IS OVER

11. SNOW SOUND

12. Kaiju

13. MILK

14. KABUTO

15. Mosquito Bite

16. Kick & Spin

17. You're So Sweet & I Love You

18. 明日、また

19. ムーンソング

20. Fish Tacos Party

21. Your Song

22. Adventure

22. アルペジオ

 

en1. Burger Queen

en2. city

en3. ハナウタ

en4. ワタリドリ