心情色彩集/Puppet Mammy
心情色彩集
1,312円
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1. 紫恋セオリー
2. Pink Berry
3. 黒と白
4. 藍の約束
Puppet Mammyが2005年にリリースした1stミニアルバム。
AvelCainのプロデュースを担当していたex-LycaonのDr.Eveさんが在籍していました。
当初は、ex-Secileのダイナさんがボーカルとして在籍していましたが、始動から1年で脱退。
もともとギタリストだったキルアさんが、まこと名義でボーカリストに転向。
同時に、ex-デスゲイズのGt.柑那さんが加入するという人事異動を経て、新体制の1発目としてリリースされたのが、この「心情色彩集」です。
「紫恋セオリー」と「黒と白」が、まことさんの作曲。
「Pink Berry」は新加入の柑那さん、「藍の約束」はEveさんが作曲を担当して。
全体観としては、当時の流行に沿った音楽性と言えるでしょう。
ハネたリズムを多用して、煽りパートにも癖をつける。
ライブでのわちゃわちゃした盛り上がりを想定しつつ、サビではメロディアスでキャッチーに、というコテオサ感。
率直に言えば、無難の範疇に収まっているかな、といったところですね。
ただし、「藍の約束」に関しては特筆すべき佳曲。
後にAvelCainの王道となる、和風コテコテのアプローチを先取りしていて、この頃からEveさんの音楽的志向は変わっていなかったのだな、と。
実際、Puppet Mammyの楽曲であった「御伽一夜」をAvelCainがカヴァーしてしまうわけで、あんな感じの音楽性が好きなリスナーは聴かない手はないはず。
親和性は、大いに感じられました。
もったいないのは、ボーカルがさらりとしすぎてしまっていて、楽曲を中毒的にするだけの個性に欠けてしまっていたことかな。
本職はギタリストということで、抜群のスキルを求めるのは酷なのだけれど、案外安定感を示しているのが、かえって没個性となる結果に。
その意味でポテンシャルはあったので、歌い込んで、独自の世界観をパッケージできるようになってくれば、という期待感はあったのですが、そこに至る前に解散。
楽曲の良さを活かしきれなかったのは惜しまれます。
リアルタイムではパッとしないイメージで固定されてしまった感のある彼ら。
今となっては、言及しなかった残りの3曲についても、あの頃を連想させる懐かしさを持っており、中古価格で購入する分には、大ハズシはしないでしょうか。
たらればの話ではありますが、Eveさんをメインコンポーザーに据えていたら、もっと注目されていただろうな。
「藍の約束」を聴けば、そう実感せざるを得ない1枚。