Culture Shock/BY-SEXUAL
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Culture Shock
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1. BE FREE
2. CAT`S MOOD
3. CHILDREN EYES
4. HAVE NO BRAINS
5. COMMON BOY
6. SO BAD BOY
7. NON!
8. OUT OF TOUCH
9. CHIKI CHIKI
10. HAPPY & BLUE
11. COMEDY STORY
BY-SEXUALがポニーキャニオンからリリースしたデビューアルバム。
オリコンチャートで6位を記録した、1990年の作品です。
ヤンキー文化の派生からスタートするV系シーン。
ある意味で、それをもっとも色濃く体現していたのがBY-SEXUALではなかろうか。
カラフルな立て髪が象徴するド派手なルックスと、ヤンチャだけど少しナイーヴさも見え隠れする歌詞。
メンバーの3/4が高校を中退しているという実績面も含めて、当時のヤンキー観をそのままパッケージしているような作品ですね。
レコーディング段階では10代だったとのことで、とにかく若さが前面に出ている。
怖いもの知らずな無鉄砲さが隠し切れず、エネルギッシュで硬派。
景気よく「BE FREE」でスタートダッシュを決める、パンクをベースとした音楽性にはハマっていました。
Vo.SHOさんは、気怠く吐き捨てるように歌うのが特徴的。
誰にも染まっていないハスキーな歌声は、まだまだV系の歌唱法が統一化されていない時期だからこそでしょう。
ストレートなパンクチューンだけでなく、「CHILDREN EYES」などの、視点が少しズレた世界を描くのも上手いです。
一方で、スキル面では未熟さも。
プロデューサーもついて、メジャークオリティでの制作だったにも関わらず、ところどころ演奏でのボロが出てしまっているかな。
勢いで誤魔化せてはいるのだけれど、パンクよりもポップに寄せた楽曲だと、少し厳しさも出てくるか。
シンプルでわかりやすいのは長所だとしても、それ一辺倒だとやや退屈になってしまう。
この大味な感じ、飽きが早くなる懸念はあるでしょうか。
何気に肝となっているのは、「NON!」のようにコミカルに仕上げつつ、初期衝動の勢いに包まれている楽曲なのでは。
興味のある音楽に飛びつく傾向があり、深掘りよりも横に幅を広げることになる彼ら。
その結果として、メタルやポジパンから派生するV系バンドには出すことができない個性的なサウンドが出来上がっていたのは興味深い。
なんだかんだで、後にも先にもBY-SEXUALのようなバンドって、出てきていない気がしますよ。