Loveless / DARIAN MARIAN | 安眠妨害水族館

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Loveless/DARIAN MARIAN

Loveless Loveless
1,080円
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1. Loveless

2. 眠れない夜の夢

 

2018年から正式始動となったDARIAN MARIAN。

本作は、躍進の口火を切る1stシングルです。

 

メタル要素を含んだ重厚なサウンドと、ダークな世界観。

言葉にすればイチゼロ年代初頭に流行したアプローチとも言えるのですが、彼らの特徴は、そのうえでメロディラインに強いこだわりを持っているところでしょう。

 

というのも、収録された2曲は、どこまで行ってもメロディアスに仕上がっている。

従来のシーンでこの手の音楽性を追求するバンドは、AメロかBメロでデスヴォイスを噛ませるのがセオリー。

アクセントを加えるCメロ部分でこそ、シャウトパートを差し挟むものの、激しさや鋭さを、あくまで歌で表現しようとしているのが彼らの武器となり得る部分なのですよ。

結果として、ヘヴィネスを求めるコア層も、キャッチーさが欲しいライト層も、幅広く取り込めそうなサウンドになったのでは。

 

「Loveless」は、硬派なリフからスタートするヘヴィーなナンバー。

怪しげなイントロから、抑揚のないAメロと、序盤はデカダンな雰囲気を帯びているのだけれど、徐々にテンションを上げていきます。

サビでは、疾走感を纏って、開放感を与えるほどの突き抜け方。

間髪入れずにシャウトパートでカオティックに掻き回すため、必要以上にポップに感じることもなく、ドラマティックに構成しているのは見事である。

終盤の広がり方も、その印象を強めているかな。

 

カップリングとなる「眠れない夜の夢」は、更にクリーントーンのメロディ重視。

LUNA SEAなどから踏襲されてきたV系ど真ん中のソリッドでダークな疾走チューンです。

ここまで来ると、イチゼロ年代どころか、90年代にまで時間の針を戻したようなベタベタっぷり。

もっとも、きちんと現代風のサウンドの中で表現しているので、使い回し感はありません。

時代が時代なら、シングル曲となるのはこっちだったかも。

そんなキラーチューンなので、無料公開されている「Loveless」のMVだけで判断せず、是非CDを手に取ってほしいですね。

 

なお、ライカエジソンでは特典として、未収録曲「Merry-Go-Round」のremixバージョンのCDが付属。

収録曲とは異なるタイプのミディアムナンバーとなっており、楽曲数重視のリスナーであれば入手しておきたいところ。

まだまだ未知数のバンドですが、面白いところを突いてきているなとは思うので、先取りする価値はありそうです。