NO MEANING@Zepp Tokyo(2017.12.20) | 安眠妨害水族館

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[Alexandros]の東名阪のゼップツアー、「[Alexandros] Tour 2017 "NO MEANING"」のファイナル公演に行ってきました。

ソールドアウトということで、平日にも関わらず2階席も含めて満員御礼。

この規模のバンドを見るのは久しぶりだったので、なんだか新鮮でした。

 

フェスでは何度か見る機会があった彼らですが、単独公演を見るのは初めて。

そのときに抱いたイメージは、小奇麗で、ノリが良くて、シュッとしているなというものだったのだけれど、良い意味で裏切られました。

暴れる要素も強く、序盤からダイバーが登場するし、一方でシアトリカルな演出も多々見られ、メンバーサイドは何かに憑依されたように入り込んでいる。

「NO MEANING」というタイトルが示すとおり、コンセプトを持たず、やりたい楽曲を演奏するというツアー。

初期の楽曲もあったり、もしかしたら、初心者にはハードルが高いセットリストだったのかもしれないが、知らない曲がちらほらあったとしても充分に楽しめました。

 

SEの代わりに、インストナンバー「Burger Queen」の演奏からのスタート。

そこから10曲程度、隙間を作らずに畳み掛ける。

フロントマン3人は頻繁に楽器を持ち帰るし、楽曲の毛色が異なるから淡々と演奏していくだけでは難しい構成。

しかしながら、合間合間にSEを入れたり、Ba.磯部さんが煽りを入れたり、Gt.白井さんがギターソロを入れたりと、間を埋め、かつ空気感を整える工夫が施されていて、終始圧倒されっぱなし。

Dr.庄村さんのシンバルを高く設定する独特なセッティングも、プレイがダイナミックに見える演出の一環に見えてきます。

 

「I Don't Believe In You」が終わったところで、ようやくのMC。

振り返ってみて、長めのMCはここだけだったかな。

"もう、年単位で演奏することはないと思う。"とのコメントから演奏されたのは、映画「メリー・ポピンズ」より、「Supercalifragilisticexpialidocious」のカヴァー。

メルヘンチックな雰囲気を残しながら、ロックナンバーとしても成立するアレンジで、これで封印となるにはもったいない盛り上がりを見せていました。

続く「Thunder」も、導入の演出が印象的。

SEが鳴ると、サポートメンバーROSEさんによる美しいピアノソロから、イントロに繋がっていく。

こうも鮮やかにスイッチを切り替えるか、という驚きで鳥肌必須。

後半戦に向けて、緩みそうになっていた会場の空気を引き締めることに成功します。

 

「Last Minute」は、新曲のようで。

スペーシーなサウンドが面白く、ありそうでなかったタイプの楽曲では。

この段階で大きなパワーを感じたので、ライブで成長し、音源化されるのが楽しみ。

個人的に好きな「ムーンソング」や「Starrrrrrr」もこのパートで演奏されたので、満足度を高めてくれましたね。

「12/26以降の年末ソング」では、歌詞をライブ仕様にしてひと盛り上がりを加えていたのもポイントでしょう。

「Adventure」を経ての最新シングル「明日、また」で、本編を大団円で完遂。

「NO MEANING」と言いつつ、22曲の楽曲群を、しっかりひとつの作品として魅せ切りました。

 

アンコールも、アットホームになることなく、シアトリカルなまま。

これが意外だったというか、意表を突かれたというか、このバンド、格好良いなと再認識した点。

サイレンが鳴り響く中、Vo.川上さんが"激しい曲しかやらない"と宣告したうえ、「Girl A」から4曲を連発します。

しれっと新曲を織り交ぜてくるのもニクい。

 

[Alexandros]流のミクスチャーナンバー「Kaiju」が終わり、白井さんと磯部さんがはけていくので、これで終演かと思っていたら、川上さん&庄村さんでのセッションが開始。

即興なのか、予定していたのかは知る由もありませんが、こちらとしては得した気分。

これまたキレていて、当初抱いていた小奇麗なイメージは、すべて吹っ飛んでしまった。

やはり、バンドの神髄はワンマンで、ということですかね。

 

1本通して照明演出も凝っていて、記憶に残るライブだったな、と。

終演後、ステージセットの撮影が自由というのも、粋なはからい。

映像化される予定がないツアーであれば、記憶だけでなく記録も、となるのがファン心理。

照明が消える前に撮影できて良かったです。

 

 

1. Burger Queen

2. can't explain

3. city

4. Droshky!

5. Dracula La

6. Nawe, Nawe

7. She's Very

8. Waitress, Waitress!

9. Wet Paint

10. Don't Fuck with Yoohei Kawakami

11. I Don't Believe In You

12. Supercalifragilisticexpialidocious

13. Thunder

14. Kiss The Damage

15. Kids

16. Last Minute

17. NEW WALL

18. ムーンソング

19. Starrrrrrr

20. 12/26以降の年末ソング

21. Adventure

22. 明日、また

 

en1. Girl A

en2. 新曲

en3. Kick&Spin

en4. Kaiju

en5. ギター&ドラムセッション