TRIBUTE OF MUCC -縁[en]-/V.A.
TRIBUTE OF MUCC -縁[en]-
5,000円
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DISC 1
1. 蘭鋳 / ROTTENGRAFFTY
2. ハニー / BAND-MAID
3. 最終列車 / THE BACK HORN
4. EMP / Ken(L'Arc-en-Ciel)
5. ガーベラ / sukekiyo
6. 溺れる魚 / gibkiy gibkiy gibkiy
7. 謡声(ウタゴエ) / 氣志團
8. アイアムコンピュータ / POLYSICS
9. 風と太陽 / cali≠gari
10. 流星 / Plastic Tree
11. 暁闇 / シド
12.
DISC 2
1. CLASSIC / FLOW
2. 大嫌い / THE ORAL CIGARETTES
3. 茫然自失 / lynch
4. Mr.Liar / ヒステリックパニック
5. リブラ / 矢野絢子
6. 家路 / MERRY
7. アカ / DEZERT
8. フライト / BREAKERZ
9. ニルヴァーナ / GRANRODEO
10. ハイデ / ROACH
11. ブリリアント ワールド / 鬼龍院翔(ゴールデンボンバー)
12.
全22組+αという豪華な面々が参加したMUCCのトリビュートアルバム。
CD2枚組で、ボーナストラックも含めれば24曲が収録される大ボリュームです。
兎にも角にも、MUCCというバンドの音楽性の幅広さを見せつける作品になりましたね。
というのも、参加アーティストは、しっかりと自分たちの個性をぶつけてきている。
ROTTENGRAFFTYやlynchは硬派にラウドに攻めているし、POLYSICSはピコピコした電子音の応酬。
ダークで退廃的、だけど哀愁のある歌メロを得意とするTHE BACK HORNに、爽快なパンクを繰り広げる氣志團やFLOW。
カヴァーじゃなくてコピーだろ、なんて仕上がりの楽曲はひとつもない。
それなのに、オリジナルの空気感が、どこかに残っているのですよ。
原曲をここまで崩すか!という驚きがあったのは、sukekiyoとgibkiy gibkiy gibkiy、あとはピアノを弾き語った矢野絢子さんぐらいで、大部分は素材を活かしてのアレンジ。
要するに、これだけ幅広いアーティスト群の、それぞれど真ん中となる音楽性を、"MUCCらしさ"の中に内包しているということ。
長い年月をかけて刻んできた彼らの足跡は、いつの間にか、とてつもなく大きくなっていたのだなぁ。
いくつか個別に紹介すると、やはり語らずにはいられないcali≠gari。
直接的な先輩であり、ともに密室系というジャンルを広めた立役者である彼らだけれど、本来の"密室系"とは離れたサウンドで親和性を示すという試みが、とても面白かったです。
同じレーベルで活動していた時代の楽曲に類似性があるのは当然。
それ以降のナンバーを見事に自分たちのものにしたことで、今でも想いは繋がっているのだよ、と言っているよう。
Plastic Treeが後に続くあたりも、ニクい演出に見えてきます。
純粋に聴いてみたかったのは、THE ORAL CIGARETTES。
もともと、声質が逹瑯さんに似ているなと思っていたこともあり、ハマらないわけないだろ、と。
V系バンドがセレクトするのだろうと決めつけていた「大嫌い」を選曲するのも、わかっているじゃない。
声質だけでなく、バンドのスタンスやアグレッシブなサウンドも、シンパシーを感じるものだと証明されました。
また、MERRYの「家路」が、個人的に大当たり。
哀愁パンクは彼らの十八番。
序盤の歌謡メロディを押し出した"静"と、終盤のパンキッシュな"動"のメリハリが完璧で、どちらもMERRYらしく、どちらもMUCCらしい。
本当に、どのアーティストも良い仕事をしています。
もうひとつ、本作の特徴は、このご時世において秘密主義であること。
アートワークを、レーベルの先輩であるHYDEさんが担当しているのだけれど、買った人しか見ることができない仕様。
公式Web上でも公開されず、袋に入って売られているので、店頭でも確認することは叶いません。
収録内容についても、一部非公開。
ボーナストラックは2曲収録されているのだけれど、ひとつはムックによるカヴァー曲で、もうひとつは、実質的にあのバンド。
選曲もツボで、こんなサプライズが残されているのであれば、聴かないわけにはいかないでしょう。
値段はやや高めだけれど、クオリティの高いフルアルバム2枚での価格設定と考えれば、コストパフォーマンスは悪くないはず。
結果的に、MUCCというバンドの底知れなさを痛感する作品でした。