4P/NA-ZE?
4P
3,146円
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1. 嫌な奴だ
2. MAYBE
3. 傷つけるより傷つけられたい
4. 君になりたい
5. 初体験
6. 恋に恋してた
7. 意味のない歌
8. 見つめられない
9. もしも叶うなら
10. 言えません
11. なぜ
12. ONE DAY
ex-BILLY&THE SLUTSのメンバーを中心に結成されたNA-ZE?。
本作は、1997年にリリースされた作品です。
ホリプロからメジャーデビューした彼らの唯一のフルアルバム。
その後に巻き起こるV系バブルにおいてはインディーズでの活動となっていたため、やや地味な存在ではありますが、そのインパクトあるバンド名に見覚えがあるという90年代ファンも多いのでは。
音楽性は、ミディアムテンポのビートロックが中心。
ポップなメロディを強みとしており、J-POPとしてもハマっていきそうな要素は十分に持ち合わせていたのではないかと。
その中で、疾走感のあるV系チューン「傷つけるより傷つけられたい」、「見つめられない」、虚無的な空気感を纏う「初体験」、「意味のない歌」など、ロックバンドとしての矜持も示しており、現代における王道とはだいぶ異なる毛色ではあるが、バラエティに富んだアルバムとして成立していますね。
特に印象に残るのは、シングル曲となった2曲でしょう。
まず、「嫌な奴だ」の卑屈な歌詞と、気怠いサウンド。
これでスタートかよ、これがシングルだったのかよ、という二重の驚きで幕を開ける。
良くも悪くも、なんだこれ、とリスナーを引き付けることに成功しています。
「もしも叶うなら」は、記念すべきデビューシングル。
こちらは、どちらかと言えば正統派のビートロックナンバーなのですが、サビに漂う清涼感が気持ち良い。
また、このまま爽やかに進行するかと思いきや、間奏では暑苦しく早口でまくし立てるパートが用意されていて、それ以降はメロディ部分も少し熱っぽく歌い上げるという感情の変化がたまりません。
Vo.daiさんのハスキーな歌声が、かなり特徴的ではあるので、聴き手を選びそう。
そもそも、時代が時代なので、今から聴くには古臭さがあるのは否めず。
その点で、歴史に名を刻む名盤とは言えないのかもしれませんが、V系の形にハマりきらない柔軟な音楽性は、コテコテのV系ファンというより、90年代J-POPのファンに響くのでしょう。
ちなみに、「4P」は、"FOUR PIECES"と読むようです。
昭和生まれにとっては聴きやすく、耳馴染みが良い1枚。