Tear In The Rain/Aiolin
1. Crystal Night
2. Ark Night
3. Starlight Road
4. Tear In The Rain
5. Error World
6. Remember The Name
7. AsteR
8. Faded
"V(isual)×V(iolin)"をコンセプトに掲げるアイオリンの1stアルバム。
Vo.Hikaritoさんは、東京藝術大学音楽学部でヴァイオリンを専攻していたという経歴を持っており、ソロミュージシャンとしてもマルチな活動を行っています。
バンドコンセプトや、Hikaritoさんのキャリアからもわかるとおり、楽曲の大半にヴァイオリンが取り入れられているのが、大きな特徴。
そもそも、ヴァイオリンを前面に押し出したV系バンドは稀有であり、しかも同期ではなく生音で勝負できるというところに、圧倒的な強みを持っていると言えるでしょう。
全体的には、メロディを重視した切ないポップロックが主軸。
ローディー経験があるようで、vistlipの歌モノ路線のナンバーから影響を受けている部分、共通している部分は見られますね。
「Starlight Road」や、「Tear In The Rain」のサビの爽快感は、なかなか狙って出せるものではない。
上手くモノにしたな、といったところです。
もちろん、ギターよりも主張が強いヴァイオリンのフレーズが入ることで、きちんと差異化はできている。
なんだか面白いことを高いレベルでやろうとしているバンドがいるぞ、というインパクトを与えるには十分でした。
このアルバムを引っ提げての始動というのは、正解だったのでは。
あとは、楽曲そのものに個性がほしいかな。
押し出すところが明確なので、最初の一手としては合格点なのだけれど、２枚目、３枚目となってくれば、これを超えることをしていかなければならないはず。
スタート時点でのレベルが高い分、綺麗にまとまってしまっているきらいもあり、勢いを持ってぐいぐいと引っ張っていく推進力を、どこで出すかが鍵となってきそうですな。
本作、CDはライカエジソン限定での販売とのことですが、デジタルアルバムとして配信されているので、気軽に購入が可能。
素材としてはかなり面白いので、衝撃度が高いうちに聴いておきたい１枚です。