愛の特異点/業-karma-
1. 愛の特異点
ex-AvelCainのボーカリスト、業-karma-さんが約1年の沈黙を破ってソロプロジェクトを始動。
本作は、告知なしで発表された配信シングルです。
収録されたのは、「愛の特異点」。
ギター1本をバックに歌い上げられるアコースティックナンバーとなっており、湿り気のある質感に、業-karma-さんの癖のある歌が見事にハマる。
AvelCainと音楽性のベクトルは異なるのだけれど、どこかあの頃の面影も感じられる気がします。
不思議な感覚。
きっと、軸は変わっていないということなのだろうな。
声はあまり張らず、丁寧に歌っている印象ですね。
とはいえ、音程だけを気にしているわけではなく、感情の乗せ方が相変わらず上手い。
シンプルなサウンドだからこそ、それが際立っているのではないでしょうか。
いつの間にか、歌モノで勝負できるボーカリストになっていたのだな、と。
尺は3分弱。
やや物足りなさはありますが、徐々に盛り上がって最高潮を迎えたタイミングで終わる、という演出が効いていて、プロジェクトの序章としては、これ以上ないぐらいの引きだったのでは。
そもそも、このまま活動が継続されるのかも含めて不透明。
次の展開が読めない中で、続きがありそうという余韻は、間違いなくプラスに働いたはずですよ。
なお、ギターを弾いているのは、AvelCainのプロデューサーであったEveさんとのこと。
今後、アコースティックをメインにやっていくのか、バンド形態に進化するのか、この段階では何とも言えないが、とりあえず、このタッグでの音楽をまた聴けるというのは素直に嬉しい。
新体制にて、再びたくさんの名曲を生み出してほしいものです。