アイラブ東京 / 花見桜幸樹 | 安眠妨害水族館

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アイラブ東京/花見桜幸樹

 

1. アイラブ東京

2. 雪國

3. もしかして

4. 三都物語

5. アイラブ東京 カラオケ

 

ダウトのボーカリスト、幸樹さんによるソロデビューシングル。

2015年にリリースされた作品です。

 

演歌やムード歌謡に強みを持つ徳間ジャパン。

本人のルーツと、事務所のストロングポイントが合致したということで、本格的なムード歌謡歌手としてのデビューも必然といったところでしょうか。

ゴールデンボンバーの鬼龍院翔さんが芸名の名付け親になったというエピソードもあり、シーンの内外問わず注目を集めました。

 

表題曲の「アイラブ東京」は、その筋の作詞家、作曲家を迎えて制作された楽曲。

現時点で発表されている、唯一のオリジナルナンバーとなります。

サウンドそのものには、ヴィジュアル系の要素はなし。

シーンのお約束的なものではなく、ムード歌謡特有の振り付けもあって、本当にバンドとは違った客層を取りに行っているな、という気合いが見受けられますね。

 

何でもアリのヴィジュアル界。

これまでも昭和歌謡ライクな楽曲を武器にするバンドも数多く輩出してきましたが、あの間奏のシンセサイザーの音色、ここまで忠実に再現したバンドは見たことがない。

ソロだからこそ、その道のプロがしっかりバックにいるからこそ。

最初は抵抗があったものの、癖のある声に慣れてしまえば、普段触れない音楽を耳にするということで、面白く感じるようになりました。

 

カップリングは、吉幾三さんの「雪國」、小林幸子さんの「もしかして」、通常盤には谷村新司さんの「三都物語」をカヴァー。

歌謡歌手であることをわかりやすく示すには、誰でも知っている定番曲を、というのは妥当な戦略か。

演歌に寄りすぎると歌唱力の差が目立ってしまうので、選曲も悪くないと思われます。

「三都物語」あたりは純粋に好きな曲調だったりするので、改めて聴く機会を得たというのは、ありがたいことなのかも。

 

なお、歌詞カードに挟まる形で、カラオケ用にボーカルラインの譜面が付属。

そこまでムード歌謡シーンに忠実か、と驚かされましたよ。

一応、企画モノではなく、バンド活動と並行していく旨のアナウンスはされていますが、カヴァーアルバムリリース以降、目立った動きはなし。

カヴァーよりもオリジナルのほうが気に入ったのだけれど、2ndシングルが出ることはあるのかしら。

 

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