さよなら人生 / 帝都メリー | 安眠妨害水族館

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さよなら人生/帝都メリー


1. さよなら人生

Vo.結夕さん以外のメンバーは詳細不明の帝都メリー。

枚数限定で無料配布されているシングルです。

 

"極楽浄土リストカット二部作 男と女"のうち、"女"にあたるのが、本作である「さよなら人生」。

"男"にあたる「性春ロマン~歌舞伎者編~」も、同日配布されています。

 

この2枚、聴き比べようと思うと、なかなか難しい。

というのも、「さよなら人生」は都内の店舗、「性春ロマン~歌舞伎者編~」は大阪、名古屋の店舗での配布となっており、地域で明確に区切られているのですよ。

地域限定CDという企画自体は過去にもいくつかのバンドが挑戦してきましたが、無料配布となると珍しいのでは。

なるほど、通販が一般化した現代においてご当地感を出すには、もしかするとこの手法がベストなのかもしれません。

 

さて、内容ですが、和風なサウンドに、メンヘラ気質が強い歌詞。

レトロを通り越して雅やかさを添える同期のフレーズと、激しく攻めるバンド感の融合は、ある種、近年のV系シーンにおけるトレンドといったところでしょうか。

しかしながら、本作を聴く限りにおいて、それを1曲の中に落とし込むセンスには長けているな、と。

お約束的な要素を詰め込むがあまり、本来打ち出そうとしていた和メロが弱まってしまうバンドも多い中、きちんと両立。

インパクトを出すことに成果していました。

 

病んだ台詞であったり、昭和感のある掛け合いだったり、ギミックも満載。

コンセプトには統一感があるようで、ないようで、という側面があるのは事実ですが、それを受け入れさせてしまう説得力もありますね。

幅広く支持されそうな声質も強みだろうな。

 

ソロなのか、バンドなのかという根本的な部分も含めて、まだまだ謎が多い帝都メリーですが、発表されていた短編単独公演は中止になり、活動も一時中断となるとのこと。

"演者お披露目"と銘打っていただけに残念な気もしますが、どうやら5月に解禁となる発表もあるようで。

前向きな中止という言葉を信じて、次の一手を待ちたいものです。