ぼくらはみんな死んでいる。 / ぞんび | 安眠妨害水族館

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ぼくらはみんな死んでいる。[初回限定盤A]/ぞんび

¥1,620
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1. アンデッド・ヒーロー
2. 死ねばいいのに。
3. 腐り姫
4. 「闇夜のセレナーデ」
5. 四丁目アパート殺害事件
6. マダム・フローレンスの人体調理講座
7. 交響曲第9番「真夜中の第二音楽室」
8. まっくら
9. 夕闇行進曲
10. アブノーマル・セラピー
11. リビングデッド・マーチ
12. 21世紀の精神異常者
13. 墓場 de ラヴソング

ぞんびの1stフルアルバム。
初回限定盤AはCD+エムカードで1,500円というスペシャルプライス盤、初回限定盤BはDVDやら棺桶仕様のアクリルバッグチャームやらが付属する特殊パッケージとなっています。

Vo.奏多さんが加入してからは初となるアルバム作品。
過去の楽曲も現体制でリメイクされ、ベストアルバム的な内容に仕上がりました。
13曲中、10曲が発表済み。
とはいえ、会場限定のアイテムが中心であることを勘案すれば、新規ファンを拡大するための一手としては十分効果がありそうですね。

SEである「アンデッド・ヒーロー」に加え、「闇夜のセレナーデ」 と「まっくら」が新曲となるのかな。
「闇夜のセレナーデ」 は、耽美な構成に彩られたメロディアスナンバー。
現代のムーブメントを押さえるのが上手い彼らですので、和メロを意識した楽曲も多く見られるのですが、そもそも"ゾンビ"は西洋の概念。
こういう耽美な世界観こそ、本来のぞんびらしさではないだろうか。

「まっくら」は、アルバムの中でアクセントとなるミディアムチューン。
シングルが多いため、必然的に主張が強いラインナップになるわけですが、バランサーとして機能する、引き算的な魅力がありました。
アルバム曲らしいアルバム曲だが、演出によって、個性的な1曲に。

こうしてまとめて聴くと、やはりインパクトが強いのは代表曲である「腐り姫」か。
収録されたのは何度目だ、といったところではあるのですが、この曲を超えるのがぞんびの当面の課題となるのかな。
もっとも、1stフルアルバムとなる本作においては、「死ねばいいのに。 」とともに、序盤に盛り上がりどころを作ることができたのは大きいでしょう。
勢いを加速させ、ラストの「墓場 de ラヴソング」まで一気に聴かせるきっかけとなっています。

兎にも角にも触れてみて、と言わんばかりの1枚。
バランス無視の全力投球感が気持ち良い。
アルバムを作る意識を持って構築される作品は、次回作以降のお楽しみとなりそうですが、待つ価値はあるはず。
個人的には、前任ボーカルよりも奏多さんの声質のほうが好みというのもあり、期待感が高まりました。

<過去のぞんびに関するレビュー>
感染るんです。
ハッピーハッピーグロテスク