歌の大事件 ~東京編~@TSUTAYA O-WEST(2017.1.8) | 安眠妨害水族館

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ベル冬の五大都市ワンマンツアー ファイナル「歌の大事件 ~東京編~」に行ってきました。
名古屋、大阪、福岡、札幌、仙台と2016年内に地方都市5箇所で単独公演を成功させ、満を持して、拠点である東京で千秋楽を迎えた彼ら。
これが、2017年としては初のライブとなったようですね。

彼らの中でも激しい楽曲になる「地下室症候群」を序盤に持ってくるスタートダッシュ。
硬さがなかったわけではないのでしょうが、これまでのツアーでの経験が後ろ盾となっており、堂々としたステージングでした。
もともと暴れ曲が多いバンドではないため、持ち時間が少ないイベントならともかく、ワンマンではどういう構成で攻めてくるのかは気になっていたところ。
その中で、出し惜しみせず、強気のセットリストを組んできたな、と。

もちろん、歌モノでこそ真価を発揮できるのがベル。
新曲を中心に披露するコーナーや、バラードパートなど、勢いで畳み掛けるだけでなく、セクションごとにしっかりと意味を持たせて、ドラマティックな演出としていました。
特に、バラードを数曲固めてもダレることがないのが強みでしょう。
ややファルセットに安定しなかった部分はあれど、ハロさんのボーカルには芯があり、歌謡曲的で馴染みやすいメロディに華やかさを添えている。
「飴と無知」や「あなたまぼろし」など、なかなか渋い選曲をしてくれましたよ。

そんなわけで、メインである音楽の部分でも印象には残りやすいライブだったのではないかと思うのですが、それ以上にインパクトを与えたのは、MCや「音見世ディスコ」でのコールアンドレスポンスでのフリーダムっぷり。
曲の導入部分で、よくあるオーディエンスとの掛け合いをしていたはずが、何故だネタの発表会状態に。
時系列は曖昧なのですが、懐かしのJ-POPを掛け合いに織り込んだり、サンシャイン池崎やピコ太郎などの話題のネタを取り入れたり、ハロさんの藤原竜也のモノマネが変な方向に広がりを見せたりと、まさにカオス。
「歌の大事件」というタイトルに恥じない大事件を、いくつも巻き起こしていました。

メンバーがアンコールやダブルアンコールを要求する、という斬新な演出(?)もあって、アンコールは2回ほど。
ここでもフリーダムっぷりは変わらずで、BL的なサービスショットも発生したりしたのだけれど、このセクションで演奏された「未来予報士」がとても好みだったな。
新譜である「ルフラン」から、この曲だけが新曲コーナーで披露されなかったのは、ここに持ってくるためだったのか。
昭和歌謡的な雰囲気は薄れるが、メッセージ性は強く、本編から外に出してのこの位置は、ぴったりハマっていたのでは。

ちなみに、開場前に有志の方がフラッシュリングを配布しており(ハロさんのお母様の企画とのこと!)、アンコールでオーディエンス全員でそれを翳すという逆サプライズ。
夢人さんがそれに気付いてコメントしていたので、これは成功ということで良いのかしら。
個人的には、タイミングがわからず、翳しそびれてしまったのだけれど。

最後は、再び「地下室症候群」でクロージング。
ハロさんの、"歌モノバンドと呼ばれることに悪い気はしないけれど、その辺の激しいバンドに負けていないと思っているし、君たちも、その辺の激しいバンドのファンに負けていないと思っている。"的なメッセージが、なんだかグッときた。
なんだかんだで、3時間近くやっていたのかな。
全会場で、30分以上押していたようだけれど、この自由さだったら致し方なし。
もっとも、客の立場だけで言えば、こんなに充実感を与えてくれるのなら、問題はありませんが。

3ヶ月連続でのコンセプトシングルのリリースや、2daysでのナイトイベント開催も、この日発表。
2017年も加速度を増していきそうなベル、このタイミングでワンマンが見れて良かったなぁ、となんとなく感じたのでした。