びっくりこっくり / メルヴェル | 安眠妨害水族館

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びっくりこっくり/メルヴェル


1. 吃驚狐狗狸-ビックリコックリ-
2. キツネノカイシャク
3. オチャノコ星人
4. ヨワミニヒトツ:キビダンゴ
5. ツルノアダガエシ
6. エホンコドモ帝国

メルヴェルの2ndミニアルバム絵本。
当初は会場限定で先行販売されていましたが、現在では通販や一部店舗でも取扱を開始しています。

2ヵ月連続リリースとなったアルバム作品。
前作「しくれもるふぃ」が、過去の楽曲のリテイクが主軸となっているここまでのメルヴェルの集大成であれば、こちらは新曲を中心としたこれからのメルヴェルということになるのでしょう。

楽曲が斬新でも、伝わらなければ意味がない。
そういう意味では、彼らの楽曲タイトルのアイコンとしてのインパクトは、もはや武器と言えるはず。
駄洒落と捉えられたら一気に興ざめになってしまいそうなところ、彼らのメルヘンな世界観を損なわない領域内を絶妙にキープ。
目に入ってしまえば、はいそれまで。
兎にも角にも、"どんな曲だろう"と気になるフレーズを、よくぞこれだけ思いつくものですよ。

そして、実際に耳にした印象は、ポップな中に性急な攻撃性を落とし込んだナンバーが目白押し。
そのメリハリをつけるために、従来の彼らであればあえて手を出さなかった要素もたくさん取り入れていて、思い切ったチャレンジも見られます。

メルヘン色に、和風オカルトを混ぜ込んで不気味に仕上げた「吃驚狐狗狸-ビックリコックリ-」や、神秘的なミディアムバラードかと見せかけて、アッパーなダンサブルチューンに持っていく「ツルノアダガエシ」が極め付け。
メロディには、ここ最近で強めてきた和の雰囲気も絡め、鮮やかな色彩に、深みも加えていきます。
奥行きが感じられるようになったことは、平面的だった従来のサウンドに対して、革新的な成長ですね。

その中で、彼らのコンセプトにおいて重要な位置づけになりそうな「エホンコドモ帝国」は、キャッチーでポップなキラーチューン。
キメの多用やリズムチェンジなど、演奏にはアクセントをつけつつ、最重要となるサビで、すべてを爆発させるわかりやすさ。
アルバムとしての完成度も求められているのですな。

なお、本作も6曲入りで2,500円+税と価格設定が割高。
おススメするにあたり、ここがネックになるのは否めないよな…と思いつつ、摩訶不思議な世界観には、それでも購入して聴いてみないと気が済まない魔力がありました。

<過去のメルヴェルに関するレビュー>
しくれもるふぃ
おつきさまかぐやさま
玩具国カラクリズム
縫合猫叉
ゴミゴミザンゲ