WILD TRIBE / ACE OF SPADES | 安眠妨害水族館

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WILD TRIBE/ACE OF SPADES

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1. WILD TRIBE
2. NOW HERE
3. 誓い
4. Just Like Heaven

2012年に期間限定プロジェクトとして発足したACE OF SPADES。
本作は、その1stシングルです。

2005年にコラボレーションを実現させたGLAY×EXILE。
その化学反応を再現すべく、ボーカルにEXILEのTAKAHIROさん、ギターにGLAYのHISASHIさんを置いたバンド編成となって結成されました。
ベースにはTOKIEさん、ドラムには宮上元克さんを迎えた豪華な布陣。
別名義でクレジットされていますが、TAKUROさんも作詞・作曲で携わっています。

音楽性としては、バンド編成であることやコンポーザーの癖等もあって、GLAY寄り。
GLAYのおいしいところどりをしたような楽曲群に、TAKAHIROさんの甘い歌声が重なるところに聴きどころがあるでしょう。

表題曲である「WILD TRIBE」は、それこそGLAY×EXILEの延長線上といったロックとダンスの融合を目指すアプローチ。
骨太なサウンドで奏でられるダンサブルなメロディは新鮮であり、このコラボレーションの神髄であると言えますな。
「NOW HERE」は、夏を感じさせるポップロック。
これぞTAKURO節といったところで、歌っているのがTAKAHIROさんであるということに、思わずニヤリとしてしまう。

「誓い」は、Kotaro Egamiさんが作曲、TAKAHIROさんが作詞を担当。
この楽曲だけ、GLAYとは関わりがなさそうなクレジットなのだけれど、HISASHIさんをリーダーとしてアレンジがなされているからか、まったくGLAY感がないかと問われると、そんなことがないから面白い。
ピアノを取り入れたロッカバラード。
後半メロディに抑揚がついて盛り上がるところなど、細やかなギミックがそれっぽいのだよなぁ。
長めのアウトロから、切れ込むようにスタートするのが「Just Like Heaven」。
こちらは、アグレッシブに攻めるロックナンバーで、これもやはりTAKURO節。
普段、TAKAHIROさんが歌う機会が少ないタイプの楽曲だけに、ある意味貴重なナンバーと捉えることができるのかも。

どうしてもGLAYと比較してしまうのだけれど、この音楽性だったら仕方ないでしょ、という。
もっとも、TAKAHIROさんも完成されたボーカリストであり、TERUさんと比べてどうこうというのは感じませんでしたね。
フロントマンが異なるのに違和感がないというのは、やはり化学反応は起こっていて、新たな可能性を示しているということに他ならない。
更にダンスメインに振り切れたとしても、おそらく素直に受け取ることができると思うもの。

欲を言えば、せっかくHISASHIさんがリーダーとなっているのだから、HISASHIさんも作曲に絡んでほしかった。
むしろ、そちらメインでやってくれたら、よりGLAYとの違いも明確にできた気がします。

なお、期間限定プロジェクトということではありましたが、2016年になって「HiGH&LOW ORIGINAL BEST ALBUM」に参加。
CDには未収録となっていた2曲が音源化されていますので、こちらも機会があれば。