GLIMMERING / STEREO.C.K + HOLLOWGRAM | 安眠妨害水族館

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GLIMMERING/STEREO.C.K + HOLLOWGRAM


1. Loop / STEREO.C.K
2. 世界と灰 / HOLLOWGRAM
3. Don’t cry for the knell feat. 瀬音/ HOLLOWGRAM
4. Psychopath Circus feat. ryo / STEREO.C.K

STEREO.C.K + HOLLOWGRAM [HOROSCOPES 2016ツアー]にて販売されたカップリングCD。
両バンドのメンバー全員が勢ぞろいしたジャケットは圧巻です。

STEREO.C.Kは、「Loop」で参加。
イントロの時点で、STEREO.C.Kだ!とわかる懐かしくも新鮮味のあるロックナンバー。
90年代のビートロックをベースにしながらシリアスにスリリングに、贅肉を取り除いて現代に昇華させる、彼らにとっての王道ど真ん中で勝負してきました。
勢いで突っ切るように見えて、各パートでのギミックも凝っていて、鋭くも味わい深い1曲に仕上がっています。

対するHOLLOWGRAMは、Gt.一也さんが作曲を担当した「世界と灰」。
"動"で攻めてきたSTEREO.C.Kとは対照的に、"静"のイメージを持ったミディアムバラードである。
HOLLOWGRAMにはありそうでなかったタイプの楽曲と言いますか、内に内に沁み込んでいくような淡々とした楽曲。
シンプルな構成で、ここまで圧倒的な世界観を見せつけるか、と驚いてしまうほど、ひとつひとつの音に深みを感じさせるのです。
最後のワンフレーズの繰り返しには、グッときました。

各バンド、新曲に加えて、代表曲のボーカルチェンジヴァージョンも収録。
演奏は特に録音し直しているということはなさそうで、ボーカルのみ入れ替えたといったところ。
どうせだったら、セッションやカヴァーによる再構築までやってのけてほしかったのが本音ですが、それであっても聴きたいのがファン心理ですな。

瀬音さんは「Don’t cry for the knell」を、ryoさんは「Psychopath Circus」を歌い上げる。
オケが同一であるだけに、ボーカリストのスタイルの違いが、よく出るなぁ、と。
瀬音さんは、原曲の良さを理解しつつ、丁寧に歌い込んでいます。
難しいファルセットの部分でも、オリジナルと聴き違えるかのような伸びやかさ。
一方で、ryoさんは、自身の声の旨味を楽曲を媒介にして引き出そうとするアプローチ。
"この人が歌えば、この人のバンドになる"を地で行っているよなぁ。
努力派の瀬音さんと、天才肌のryoさん、という対比に見えてきます(実際がどうかはわかりませんが)。

ボリューム的に、2,500円という価格設定は割高感があるでしょうか。
ただ、一度聴いてしまえば、買わない手はなかったな、と思ってしまうのも事実。
時期や数量は未定とのことですが、通販も準備中とのことですので、会場で買いそびれたリスナーは、ゾイサイトショップをチェックしておくと良いかも。
グッズセットに包含されている形であれば、既に出品されていますけどね。