Rha's Al Ghûl Gorgoneion / La’ royque de zavy | 安眠妨害水族館

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Rha's Al Ghûl Gorgoneion/La’ royque de zavy


1. AVID OF SEX
2. SACRED REQUIEM
3. 愛し過ぎて 刹那過ぎて 心苦しくなって
4. 月明かりのDAYDREAM

2015年11月に"CD発売記念GIG"と称して復活したLa’royque de zavy。
本作は、そこで発売された会場限定CDです。

ご承知の通り、cali≠gariの覆面バンド。
メンバー名は頻繁に変わるのですが、本作リリース時は、Vo.岸辺悪徳、Gt.〝M〟LONDON、Ba.ジェミニはレジェンドという編成となっています。
「V-ROCK FESTIVAL 2011」に出演が発表されたときは、LA 'ROYQUE'DE ZAVYという表記が使用されていましたが、La’royque de zavyが一般的に用いられているのですかね。

SEを含めた、全4曲。
歌モノ3曲については、メンバーがそれぞれ1曲ずつ担当して、それぞれの懐古趣味を披露しています。
"密室系唯一無二の正統派ヴィジュアル系バンド"というキャッチコピーに恥じぬ、昔懐かしいサウンドの応酬。
これぞ、La’royque de zavy!といったところでしょう。

荘厳でクラシカルなイメージのSE、「AVID OF SEX」から、ツタツタしたドラムが"あの頃"感を強く掻き立てる「SACRED REQUIEM」へ。
Aメロ、Bメロは、地を這うようなメロディでぼそぼそと進行し、コーラスを交えてサビで高揚感を出していく構成。
ブレイクのあとにタイトルの台詞が入るギミックも、不必要なくらいに難しい単語を使う歌詞も100点満点です。
間奏でのヒステリックなギターは、cali≠gariの桜井青としては、なかなかお目にかかれない代物。
往年のバンドたちへのオマージュということを抜きにしても、ツボを押さえたキラーチューンでした。

「愛し過ぎて 刹那過ぎて 心苦しくなって」も、褒め言葉として本当にベタベタで、思わずニヤリとしてしまう。
クラシカルなシンセのフレーズに、Bメロ部分での崩しに、サビでの哀愁歌謡的なメロディ…
またテンダネスでロンリネスかよ、と突っ込みたくなるが、それもネタなのでしょう。
こちらをリードトラックにしても良かったのでは。
そのくらいにインパクト十分な楽曲でした。

最後の「月明かりのDAYDREAM」は、代表曲である「MOONLIGHT白昼夢」のリメイク。
英語と日本語を入れ替えただけ、という適当さが彼ららしい。
サウンドとしては、圧倒的にパワーアップしており、オリジナルバージョンはあえてのデモ音質で聴きにくかったこともあって、再録されるべく再録されたと言えるかな。
軽やかなポップさがある中で、低音が意識された印象。
最後の台詞の連呼は蛇足な気もしますが、全体的には進化していると見て間違いありません。

全曲がシングルで切れそうな勢い。
真っ向から評価すれば、古臭いし時代遅れもいいところなのだけれど、1週回って格好良いとすら思えるから恐ろしい。
本バンドでは使いにくい曲調であるのは確か。
とはいえ、遊びでこれを持ってこれるのだから、メンバーの余裕というか、キャパシティーの広さというか、作曲能力以上の計り知れないパワーを感じずにはいられないのです。

相変わらずの入手経路が限られる企画モノですが、ファンなら手に入れておきたい1枚。
メンバーのアーティスト写真も力が入っていますので、アートワーク込みで楽しみたいところですね。

<過去のLa’ royque de zavy(LA 'ROYQUE'DE ZAVY)に関するレビュー>
盲目であるが故のTHE 統一感2011