Romantics on the Plate without the Plate | 安眠妨害水族館

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Romantics on the Plate without the Plate/MONAURAL CURVE

¥2,200
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1. story weep
2. religion
3. baby messiah
4. deep guilt 
5. angels
6. stars
7. cinderella
8. 短命チャイルド
9. strawberry crime

文字数制限のため、タイトルにバンド名を入れることができませんでした。
MONAURAL CURVEの1stフルアルバムです。

【アナタのスマホにモノカーを。】

そんなフレーズとともに、突然約10年ぶりとなるシングル「Angels」を配信リリース。
続けざまに、2015年末、アルバムが同じく配信にて発表されました。
活動ペースがゆっくりすぎる彼らだけに、この展開には驚かされましたよ。

収録曲は、既に発表されている楽曲が中心。
しかしながら、大半がリレコーディングされているものと思われ、心なしかコクが増しているような。
過去の作品が手に入りにくかった状況下、最近MONAURAL CURVEに興味を持ったリスナーには嬉しいドロップとなったのではないでしょうか。

そんなわけで、音楽性は安定のモノカー節。
ニューウェイブテイストを強く押し出しつつも、アングラ、ゴシックな空気を巻き込んで、フィジカルよりもメンタルに迫るサウンドを実現しています。
その中でもキラーチューンは、やはり「angels」。
先行シングルということで、他の楽曲よりも新鮮さが残っているという影響もあるのかもしれないが、80年代ニューウェイブを2015年現在のサウンドに昇華して、異質な輝きを放っているのである。
古臭さが新しい。
温故知新を体現する楽曲ですね。

また、シングル「SEE THROUGH」では少し個性が際立ちすぎて浮いていた感もあった「stars」が、この「angels」がクッションとして入ったことによって、アルバムにしっくり馴染んだこともポイントかと。
楽曲単体では間違いなくパワーがあるナンバーだけに、ポテンシャルを最大限に発揮する舞台が整ったということ。
大幅なアレンジを組み替えるのではなく、聞かせ方を工夫することで味が出てくる。
これこそ、アルバムの醍醐味ではなかろうか。

暗さ、黒さの中に、ほんのり残る優しさの温度。
Vo.hanonさんの歌声は、退廃的な世界の中にも、そんな一筋の光をもたらしてくれる。
万人受けするバンドではありませんが、せっかく万人に聴く機会が与えられたわけで。
興味を持ったリスナーは、まずは楽曲単位からでも購入を検討されてはいかがでしょうか。
もちろん、おススメはフルで通して聴くことですよ、というコメントも付け加えておきますけれど。

<過去のMONAURAL CURVEに関するレビュー>
SEE THROUGH