Vanish… / Phantasmagoria | 安眠妨害水族館

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Maxi Single「Vanish…」/Phantasmagoria

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1. Vanish...
2. Vanish...(instrumental)

KISAKIさんが在籍していたPhantasmagoriaの2008年に発表されたシングル。
もともとはラストライブにて会場限定でリリースしたCDを、その後、通常盤として店頭でも流通販売したのが本作となります。
なんとも、KISAKIさんらしい販売手法だというか、なんというか。

2007年の時点で、Gt.伊織さん、Dr.纏さんは脱退していることになりますが、クレジットやアーティスト写真は彼らを含めた5人となっていますね。
もっとも、サウンド面では打ち込み色が強く、レコーディングに参加しているかどうかは微妙な感じではあるのですが。

内容としては、表題曲と、そのインストバージョンの2トラックを収録。
「Vanish...」は、ギターのアルペジオからスタートするミディアムナンバーです。
序盤はストリングス系のシンセが味付けとして使われており、サビになるとそこにギターリフも重なって、ドラマティックに広がっていく。
あえて、そこまで壮大にはしすぎず、5分以内の尺でまとめたところも好印象。

欲を言えば、他のパートにも活躍の機会を与えてほしかった。
たとえば、Phantasmagoriaと言ったら、エゴイスティックなくらいに大ボリュームでベースを奏でるKISAKIさん、というイメージを持つリスナーもいただろうに、どうも大人しかった印象。
音源制作に諸々の制約が出てしまっている中、フロントマンであるVo.戮さんのパフォーマンスを活かす試みだったということなのでしょうか。

なお、作曲だけでなく、作詞についても、KISAKIさんが担当しているようで、曲だけでなく歌詞にも注目しておきたい。
至る所で演出過剰なくらいに"Phantasmagoriaのラストソング"ということをアピールしていた彼らですが、それは歌詞を見ても納得。
狙いすぎと言えるほど"最後っぽさ"を狙っていて、これだけ聴いたというリスナーがいれば、誤解を与えていないかと心配になってしまうほどですよ。
ワードとして"深絆"が出てくることを踏まえると、Phantasmagoriaのというよりは、KISAKIさんのラストソングに近い感覚だったのかなぁ。

価格設定やボリューム感を勘案するに、この1曲のために買わなきゃいけないということはないと思われる。
ただし、全国流通で楽曲のレア度が薄まった影響か、中古市場では投げ売り状態に。
メモリアル的な作品として今からでも手元に置いておきたいというリスナーは、中古ショップを探してみると良いかもしれません。

<過去のPhantasmagoriaに関するレビュー>
Moonlight Revival