1. 明星
2. 明星 Acoustic Ver.
3. 明星 Vo,less Ver.
現在、SAKURAのVo.太伸さんが、RETSU名義で在籍していたMaitoreiAの1stシングル。
初回盤が完売したため、DVD付きの2nd Press盤もリリースされています。
作詞・作曲は、【MU：】、NINJAMAN JAPANなどで活躍しているGt.DAISHIさんが担当。
（作曲は、Dr.SHO-TAさんとの共作）
天照の解散後に結成されたバンドということで、音楽性には、和の雰囲気にオリエンタルなサウンドが融合した、天照の面影もうかがえます。
本作のリリース直後にBa.ZENさんが脱退しますが、後任ベーシストとして加入したのが、メトロノームなどで実績のあるRIUさんだったことも話題になりましたね。
本作は、表題曲「明星」を、３つのバージョンで収録。
オリジナルバージョンは、禍々しさすら感じられる激しい演奏と、大陸的なメロディのギャップが面白い。
序盤こそ、ハードな演奏に合わせてエフェクトをかけての荒々しいボーカルを見せるのですが、サビでは一気に開けて、キャッチーに。
アーティスティックでもあり、V系リスナーの耳にも馴染む構成になっていて、実質１曲だけで切ってくるだけあるキラーチューンになっているかと。
アコースティックバージョンは、オリエンタルな要素を強めたアレンジになりました。
開けたサビとのギャップを武器にしていたオリジナルバージョンに対して、こちらは、サビのイメージから逆算して、他のパートも違和感がないように再構築していった印象。
なので、サビ以外の部分だけを聴くと、まったく別の楽曲であるかのような錯覚に陥ります。
これはこれでしっかり練り込んでいるのがわかりますし、こちらのほうが好き、というリスナーも相応にいそうですな。
バンド名は、サンスクリット語で"弥勒菩薩"のことなのだとか。
帯に書いてあるコピーから拝借すると、"世界の救済神の意から音楽により人間愛を唄う事をテーマに世界中の旋律を取り入れ、ロック、インダストリアル、ヒーリング、クラブミュージック、ジャズ、デジロック等のアレンジで表現の幅は無限大"。
随分と大きな風呂敷を広げたな、といったところ。
まったく異なるアプローチで色味を変えた「明星」をとってみても、確かにその引き出しの多さは理解できるのだが、ここまで言うのであれば、アルバムくらいは残してほしかったなぁ。
MaitoreiAはシングル２枚を残しただけで、約１年で解散。
その全貌を知ることなく終わってしまったのが残念でなりません。