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1. SEX ON THE CARPET
2. 狂おしい夜について
3. Cherry
4. Dance with me
5. SWEET EMOTION
6. DARLIN’ -2015-
7. BABY
8. LULLABY -2015-
9. Candy In The Shape Of You -2015-
10. Skelton Queen
11. CRAZY4YOU
1990年にシングル「DARLIN'」でメジャーデビューし、今年で25周年を迎えたD’ERLANGER。
本作は、そんな節目にリリースされた通算7枚目のフルアルバムです。
アニバーサリー的な意味合いもあって、メジャーデビューシングル「DARLIN’」と、2ndシングル「LULLABY」をリテイク。
通常盤には、前作に収録されていた「Candy In The Shape Of You」の再録バージョンも追加収録されており、今のサウンドで当時の楽曲が聴けると話題を集めました。
もっとも、「DARLIN’」については、2010年にリリースされたセルフカヴァーアルバム「a Fabulous Thing in Rose」でもリテイクされていたので、ややインパクトは薄れてしまったのがもったいないのだけれど。
序盤は、復活後のD’ERLANGERらしく大人の魅力を発揮し、妖しく艶めかしく。
終盤は、ポップながら棘のあるロックンロール。
再録曲をスイッチに、復活前の面影を見せていくという構成です。
曲を進めていくごとに若返っていくというか、歴史を遡っているというか。
もちろん、演奏技術や音質は現代のクオリティを維持しているわけで、それが本作における面白さに繋がっているのかと。
オリジナル曲において特筆すべきは、「SWEET EMOTION」だろうな。
どうしたって、初期の代表曲、「SADISTIC EMOTION」と比較してしまう。
"SADISTIC"から"SWEET"になったとなれば、初期衝動が丸くなり、攻撃的だったパッションが、甘いポップネスになってしまった、と想像してしまうリスナーがいても仕方ないわけで。
しかしながら、これは大いなるブラフでした。
それまで渋く官能的に紡がれていた世界観から一転、パンキッシュでアッパーなサウンドがぶち込まれる。
水を得た魚のようにガツガツとタイトに叩きまくるTetsuさんのドラムが象徴するように、音楽性の幅は広がったけれど、牙はまったく抜かれていないのだということを声高に主張しています。
それは、「DARLIN’」や「LULLABY」を聴いても、納得できる部分かと。
強靭なリズムに乗せられる、鋭利なギター。
kyoさんのハスキーなボーカルも含めて、鋭さは変わらず、強度だけがレベルアップしたイメージですな。
ラストは、それらを総括してポップさを際立たせた「CRAZY4YOU」で締められるのだが、"ポップなアルバムだったね"だけで終わらないのは、こういった部分で"SADISTICAL PUNK"の姿勢を示していたからに他ならない。
なお、一部海外レコーディングを敢行した影響なのか、とてもクリアな音像。
各パートの主張が埋もれずに聴こえてくるうえに、なんとも抜けが良い。
再録曲もあるだけに、音質へのこだわりがはっきりしているのは好印象ですね。
新規のファンにも、昔からのファンにもアピールできる作品。
リテイクやSEがある中で全11曲と、やや食い足りなさはありますが、その分濃厚なサウンドが堪能できそうです。
<過去のD’ERLANGERに関するレビュー>
LA VIE EN ROSE