フラスコを振ると天秤揺れた / Develop One's Faculties | 安眠妨害水族館

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フラスコを振ると天秤揺れた/Develop One's Faculties


1. フラスコを振ると天秤揺れた
2. ピエロ

ex-cocklobinのyuyaさんがAsserterとして在籍するDevelop One's Faculties。
活動開始と同時にリリースされた1stシングルです。

yuyaさんはギターだけでなく、ボーカルも務める形。
ギタリストのイメージがありましたが、さすがボーカリストとしてのキャリアもあるだけあって、なかなかサマになっています。
その他のメンバーも、ex-ケミカルピクチャーズのGt.ruiさん、ex-江戸川パラドクスのBa.dettoさん、ex-cocklobinのDr.Johannesさんと、コアなファンなら興味をそそられる面子。

音楽性としては、ダンサブルながらダウナーな雰囲気を醸し出す歌謡ロックといったところ。
肌理の細かいフレーズを重ねて密度の濃いサウンドを構築。
この辺りは現代邦ロック的なアプローチでもあるのですが、そこに添えられるメロディが、なんとも歌謡曲的なのだ。
レトロというわけでもないのだが、良い意味で古臭さを感じさせる。
初めて聴いたときから、慣れ親しんだ音楽のような顔をしていますね。

タイトルが独特な「フラスコを振ると天秤揺れた」は、絡み合うギターの音色に飲み込まれそう。
流れるように展開されていくので油断していると、サビでスイッチが入って激しさも見せる。
アレンジもかなり細部まで凝っていて、メリハリを意識したドラマティックな構成がたまりません。
意外性のあるシャウトから畳み掛けられる怒涛のラストシーンも聴きごたえあり。

「ピエロ」も、系統としては表題曲を引き継いで。
イントロから楽器隊がガシガシと主張をしてくるのですが、大局観としては渋さが出てくる。
コーラスが重なって広がりを見せるサビの美しさも相まって、こちらもドラマ性を感じさせますな。
3分半程度しかないのだけれど、それ以上のボリュームを感じさせる満足度がありました。

なお、会場限定盤と通販限定盤では、カップリングが異なります。
通販限定盤には、「結果論」を収録。
これだけ濃い内容をぶつけられてしまったら、こちらも聴いてみたい、と思ってしまうのは必然である。

まだ2014年末に活動を開始したばかりでこのクオリティなのだから、馴染んで来たらどうなってしまうのだろう、と期待せずにはいられないワクワク感。
サウンド的にも、V系シーンの外に出ても通用しそうな風格があり、楽しみなバンドがまたひとつ誕生したと言えるでしょう。