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1.METAL DUCK
2.THE SPIDER
3.SO WHAT!
4.ONCE UPON A TIME
5.MADMAN'S REVENGE
6.DECAY THE BODY
1993年にリリースされたROSENKREUZの3rdアルバム。
解散記念アルバムということで、スタジオ音源としては最後の作品となったCDです。
リアルタイムで聴いていたわけではないので詳細はわからないのですが、リリースから20年以上経って聴いても、あまり違和感がないことに驚かされる。
日本におけるミクスチャーやインダストリアルの先駆けとして語られることが多いようで、デジタルサウンドとバンドサウンドを融合させたハードコアを展開。
どう考えても、時代を先取りしすぎた音楽性でした。
「METAL DUCK」は、彼らの中ではバンドサウンドに寄った楽曲。
タイトル通りメタリックな演奏に、硬派なシャウトが重なる。
ボーカルは、クリアな部分を歌わせると弱さが露見するのですが、ヘヴィネスを意識し、ガナるようなシャウトを前面に押し出すことで、タフなイメージに仕上げきっています。
さて、彼らの真骨頂は、「THE SPIDER」からとなるのでしょう。
デジタルサウンドが前に出てきて、シリアスで無機質な雰囲気を演出。
大部分を同じフレーズのループで進行するのだが、緊迫感が常にキープされていて、息を吐く暇もないくらいにヒリヒリと迫ってくるよう。
「SO WHAT!」もその延長線上にあり、無機質なサウンドと、有機的に叫ぶシャウトのミスマッチが格好良い。
キャッチーではありませんが、歌詞を現代的に書き直すなどのカスタマイズをすれば、邦ロックバンドの楽曲として成立しそうな色褪せなさがあるのだよな。
「ONCE UPON A TIME」は、ダンサブルなインスト。
シンセとリズムマシーンで、切ない余韻を響かせます。
この曲が何気に好きだったりして。
「MADMAN'S REVENGE」、「DECAY THE BODY」はボーナストラック扱い。
解散が決まってのリリースですから、穴埋め的な側面もありそうですが、シングルではなくアルバムとしてドロップしてくれたのは嬉しいですね。
「MADMAN'S REVENGE」は、バンドサウンドによるビートロック。
彼らとしては珍しく、バンドサウンドでガツガツと攻めるアレンジなのですが、1曲目も同じ方向性だったことを踏まえると、アルバムのバランスをとる役割も果たすのかもしれません。
最後に収録された「DECAY THE BODY」は、ワンフレーズ押しではあるのだが、金属音の挿入やテンポチェンジにより難解さがあるようにも聴こえる。
一筋縄ではいかないな、というイメージを十分に与えます。
美しいメロディや、キャッチーさは皆無。
とにかく激しく、重く、男らしい。
苦手な部分を割り切って、シャウトで押し切る構成にまとめたのもポイントです。
そして、こんなバンドが、生音だけでなく、デジタルサウンドでも勝負していたというのも、また興味深いもので。
本作では、比較的バンド寄りのアレンジも目立ってきているので、彼らの中では聴きやすさがあると言えるのだけれど、それでも当時としては斬新だったのがよくわかる。
温故知新。
若いリスナーが耳にする機会はほとんどないでしょうが、歴史を遡るのも面白いものです。