「サヨナラ」 / SKULL | 安眠妨害水族館

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「サヨナラ」/SKULL


1.「サヨナラ」

仙台を拠点に活動していたSKULLの限定シングル。
2008年の高田馬場AREAにて販売されました。

My BACTERIA HEAT IsLANDのGt.大祐さん、Ba.諒さん、Dr.哲也さんが在籍していたことでも知られるSKULL。
この頃は、Ba.諒さんは加入前で、後にGALEYDなどに在籍するさくらさんがベースを担当しています。

本作は、Vo.SINさんが作詞・作曲を担当。
メンバープロデュースワンマンの企画の一環として制作されたこともあり、やや企画モノとしての位置づけもあるのでしょうが、一皮剥けるための過程だったとも思わされた1曲です。
バンドサウンドはしっかり押し出しつつ、哀愁のあるメロディを落とし込む。
この歌メロの美しさ、切なさは、きちんと仙台バンドの遺伝子を受け継いでいるバンドなのだなぁ、と改めて気付かされますね。

それまでの彼らは、率直に言って、ガゼットの直系フォロワー。
ハードな楽曲も、メロディアスナンバーも、歌い方を含めて影響がモロに出てしまい、それ以上のものに昇華できてはおらず、オリジナリティの創出が課題となっていました。

しかし、なんとかそこから脱却しようと試行錯誤していた中で、遂に企画が当たったといったところ。
アウトロ近くのギターのリフには、やはりガゼット感が色濃く出てしまっているものの、これ単体で聴けば、いいところ取り。
コテコテバンドによる歌モノ好きにとっては、ピンポイントでツボを突かれてしまうキラーチューンに仕上げてきたと言えなくもありません。

後半、盛り上げようとボーカルラインに工夫をしたところで、ややピッチが崩れてしまったり、コーラスのバランスがイマイチだったりと粗さは残ってしまいますが、確実に成長を見せた。
入手方法が限定的だったのがもったいなかったな。

結果的に2011年で解散となってしまいますけれど、My BACTERIA HEAT IsLANDの演奏隊のルーツとして、ぜひとも押さえておきたいバンド。
本作は、少し邪道な楽曲にあたるのかもしれませんが、今に通じるパッションは十分に感じられます。