JEWEL BOX / MASQUERADE | 安眠妨害水族館

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JEWEL BOX/MASQUERADE

¥3,909
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1. COUNTDOWN
2. Oh Yes!-恋の誘惑-
3. 蜃気楼~Round & Round~
4. ピセラ×ピセラ
5. 春夏秋冬
6. COSMOS
7. JEWEL
8. attention please
9. The World
10. MIRACLE

ex-INCREALのVo.二階堂隼人、Gt.広末慧によるデジタルユニット、MASQUERADEによる1stフルアルバム。
2007年の作品です。

1stライヴがZepp Tokyoでのイベントだったり、1stシングルがDASEINのカバー曲だったり、話題を振りまいていた彼ら。
ライブでのサポートは、∧uciferのBa.TOWAさんやex-MASKのDr.MINAMIさんが担当していたり、バックもしっかりしていた印象でした。

本作は、それまでにリリースされていた宝石の名前を冠したシングル4枚を踏まえたアルバムということで、その名も「JEWEL BOX」。
DVD付の全10曲という仕様。

音楽性としては、懐かしさのあるデジタルポップス。
もっとはっきり言ってしまうと、浅倉大介風味である。
コンポーズは広末さん、プロデュースも朝井泰雄さんという方が担当しており、おそらく関連性はないのかと思われますが、シンセサイザーのフレーズをメインに据えて、鋭いギターリフで味付けしていく手法は、まさにDAサウンドを踏襲。
ラップのないpool bit boysと言うとわかりやすいかもしれません。

二階堂さんの、あまりV系臭を感じさせず、アイドルポップス風に歌い上げるスタイルや、パーティーチューンに向いていそうな歌詞のセンスも含めて、なんとも90年代。
アッパーにアゲていくにはぴったりな「Oh Yes!-恋の誘惑-」、ギラギラしたデジタルサウンドで勢いを加速させる「ピセラ×ピセラ」、バンドサウンドも取り込みつつ、キャッチーなバラードを聴かせる「JEWEL」など、バラエティも豊富です。
「The World」、「MIRACLE」という締めの2曲は、歌詞に"MASQUERADE"というワードを使用した自己紹介的ナンバーに仕上げていて、ホールクラスの会場での大団円がイメージできるのだよな。

予備知識がなければ、2006年末~2010年末に活動していたヴィジュアル系バンドと言われても、おそらくピンと来ないであろう。
もっとも、彼らにとっては、それが個性で、武器であった。
シーンの中層部に受け入れられる音楽ではなかったかもしれないが、シーンにおけるパイを増やす役割を期待したかったところ。
残念ながら、MASQUERADEは2010年で無期限活動休止となってしまっていますが、何かのきっかけで、一般層に名前が知れ渡る機会があれば、結果は違っていたかもなぁ。

二階堂さんは3Peace☆Lovers、広末さんはWING WORKSのサポートメンバーとして音楽活動は継続。
果たして、活動再開はあり得るのでしょうかね。