東京 / 激楽隊 | 安眠妨害水族館

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東京(初回)/激楽隊

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1. クルード
2. 心砂漠
3. 激東京
4. 無苦
5. 昭和~GK-Edit~
6. 心情胸に刺さる
7. 激楽
8.

Vo.根崎料栄(ex-ラヴィアンローズ、兎-usagi-)、Gt.矢口雅哲(MUCC)、Ba.吉田匡辰(THREE 9)、Dr.大島剛(ex-カリメロ、ex-Jully、兎-usagi-)にて結成された激楽隊。
後に吉田さんは脱退し、ライブサポートはシドの明希さんや、ギルガメッシュの愁さんが担当していました。

ラヴィアンローズ・狂介、ムック・ミヤを中心としたサイドプロジェクトとして始動。
CDのリリースは2005年に発表された本作のみですが、ライブ活動については、直近では2012年に行っている等、単発の企画モノ、というわけでもなかったようです。

最初の2曲を矢口さん、残りの楽曲を根崎さんが担当。
この2人がサウンド面で引っ張っていく形になっているため、厚くて重いサウンドアプローチは必死。
だけどメロディには、郷愁感が漂っており、いかにも彼ららしい内容になっているのかと。

根崎さんが主導のバンドですので、彼のセンスが色濃く出ているのは間違いないのですが、ムックしか知らない人に聴かせても、違和感がないと思うのだよな。
途中でコンポーザーが切り替わったとは思えないくらいの馴染みっぷり。
どちらが合わせたというよりも、さすが、同郷の縁あり親交を深めてきた二人といったところで、お互いの重なり合うツボをわかっているのでしょう。

1分に満たない「クルード」は、インストかと思いきや、ラストの10数秒だけ、まくし立てるようなボーカルパートあり。
この衝動性には驚かされます。
続く「心砂漠」も、ガツンとぶつけて潔く終わるラウドチューン。
サビでは、ややメロディアスになり、ミヤ節を堪能できるのでは。

この2曲を合計しても、たった3分。
矢口さんの楽曲を期待して購入したファンには、これだけかよ、と物足りなさを感じさせたかもしれませんが、聴き進めれば、杞憂に終わったはず。
前述の通り、激しさの中にジャジーなテイストを落とし込む「激東京」、しんみりした哀愁ナンバー「無苦」、優しく響くフォーキーな「昭和~GK-Edit~」、バンド サウンドが強調されたバラード「心情胸に刺さる」、ラウドに迫るもアダルティーなアレンジが施された「激楽」と、親和性の高い楽曲が並ぶ。
2005年と言えば、ムックが「鵬翼」を発表した時期ですが、本作の制作により刺激を受けたのか、雰囲気的には、近いものがある気がします。

総括として、"激楽隊"というバンド名からイメージしていた内容とは、少し異なりました。
もっと激しく、重苦しく、ラウド調の楽曲を軸に攻めてくるのかと想像していた。
もちろん、序盤での畳み掛けがあるので、激しさは感じるのだけれど、郷愁感を押し出した楽曲も多く、激しさだけを求めるバンドではないのだな、と。

なお、初回盤にはボーナストラックが収録。
これは、楽曲なのか、トークなのか。
ギター1本で歌い上げるフォーク調のブリッジに、根崎さんの仕切りのもと、各メンバーが自分のバンドの曲をワンフレーズだけ替え歌風に歌っていくという趣向。
剛さんの歌唱力が、なかなかにショッキングでした。