宿題やったのに / SEX-ANDROID | 安眠妨害水族館

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宿題やったのに/SEX-ANDROID


1.宿題やったのに
2.Go-!Rolling Down!
3.スパナ

LIVE会場と通販限定でリリースされたSEX-ANDROIDの夏シングル。
この季節に勢いのある作品をドロップするのは、恒例になりつつあります。

気持ち良いくらいに振り切れている。
バリエーションを出そうとあれこれ詰め込むのではなく、得意としているパンキッシュなアッパーチューンだけを3曲。
夏シングルと言うだけあって、暑く、熱く迫ります。

ぶっきらぼうだけれどセンチメンタルなYU-DAI節も相変わらず。
「宿題やったのに」と聞くと、少しふざけたタイトルにも見えますが、彼らに料理させると、なんともノスタルジックでほろ苦い気持ちになるから不思議なものだ。
ただ激しいだけでなく、きちんとキャッチーに仕上げているところもポイントでしょう。

マイナーコードで歯切れ良く進行していくのは、表題曲である「宿題やったのに」。
ストレートな構成で、疾走感たっぷり。
サビでのコーラスワークと、骨太なサウンドが格好良い。
夏休みの開放感と、休みになって気付く寂しさが、たった3分程度の楽曲で、よく表現されていますね。
キャリア的にはベテランであるはずの彼ら。
未だにこんな歌を歌いきれるってのは、冷静に考えれば凄いことだよなぁ。

更にパンク色を強めるのが、「Go-!Rolling Down!」。
ワンフレーズを押し出すタイプの楽曲で、吐き捨てるようなYU-DAIさんの歌い方がハマっています。
荒々しく攻め続けたと思ったら、最後に用意されているサビが、とても80年代歌謡曲テイストで驚かされる。
ギラギラした夏の太陽を連想させます。

ラストの「スパナ」も、ひたすら突っ走って。
3曲とも、3分台ということで、カミソリのような勢いがある。
演奏面では、その中でも、もっとも激しいでしょうか。
ぐいぐいと攻め立て、サビでは、やはり歌謡ポップに。
これを、お約束ととるか、マンネリととるかは好みの問題もあるのだろうけれど、夏をコンセプトに、はっきりと割り切っている本作。
やりたいことを貫いたほうが、味を出せるというものである。

「殺し屋ミルクちゃん」などで見せていた勢いを、更にぎゅっと凝縮したようなシングル。
愚直すぎるほどの衝動性は、まだまだ老け込んでたまるかという決意を感じますよ。
「宿題やったのに」と、「スパナ」にガツンとやられた。
「Go-!Rolling Down!」も、じわじわと存在感を増していく。
これを限定販売にしてしまうとはもったいない!とソワソワしてしまうくらい、パワーのある一枚に仕上がっています。

<過去のSEX-ANDROIDに関するレビュー>
ギャクシンセサイザー
殺し屋ミルクちゃん
劣等クライシス/ドロシー
ザ・ホワイト・ロックンロール・スウィンドル
お茶の間キラー
完売トラック1.2.3-Mのアナログ狂い咲き-