卵/MASK
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1. 優しい嘘
2. 求めたゆえに残ったもの
3. 空
Loop Ashの代表、未散さんが中心となって結成されたMASK。
本作は、2004年にリリースされたマキシシングルです。
後に彩冷えるを結成するVo.葵さんが脱退し、代わりに加入したのが、現在HEROにて活動する尽さん。
Vo.尽（HERO）、Gt.SANA（Kαin）、Gt.未散（ex-Aioria）、Ba.KAZUTAKE（ex-Aioria）、Dr.MINAMI（ex-ぐりむ）という編成になった第二期MASK初の流通作品が、この「卵」でした。
「優しい嘘」は、実にMASKらしい。
ウネウネとしたマニアックな要素があるギターリフと、レトロな空気感。
メロディそのものは歌謡曲テイストで、必要以上に聴きにくくなることもなく、ほどよいバランスが保たれていますな。
サウンドとしては、第一期から継続しているよう。
しかしながら、激しさよりも、メロディアスさを押し出すようになったのが、第二期のポイント。
当時は無名だった尽さんですが、さすが、ポテンシャルを示しているかと。
続く「求めたゆえに残ったもの」は、本作中、激しさを担う楽曲。
ボーカルにエフェクトをかけて、カオスな感覚を増そうとしているのかな。
シャウトに、やや迫力が足りないのが残念ですが、左右でパンを振ってみたり、エフェクトボイスとクリアボイスを切り替えて、メリハリをつけてみたり、工夫は見られる。
ラストシーンの歌モノパートが好みなので、無理に激しさを出そうとしなくても良かったかなぁ、というのが正直な感想だったり。
最後の「空」は、ストレートなアッパーチューン。
パンキッシュで疾走感のあるリズムのもと、爽やかに歌い上げます。
メジャー感があるので、第一期からのファンには戸惑いを与えそうなところではありますが、ボーカルチェンジがあったからこそ、開拓することができた新機軸と捉えれば、それなりに面白い。
歌メロが、何気に耽美ポップスで、LAREINEっぽさを感じたのは僕だけでしょうか。
今となっては、"良くも悪くも"ということになるのだろうけれど、尽さんのアクの強い歌い癖が、この頃はかなりマイルド。
はっきり言って、現在の彼の歌より、聴きやすいです。
その分、普遍的、個性が薄いということでもあるのだけれど、一長一短だろうなぁ。
後に限定生産されるベストアルバムに全曲収録されるため、単体では安価で手に入れることが可能な作品。
当時のファンはもちろんですが、HEROファンが遡ってみて、というのもアリでしょう。
ボーカリストの発掘には定評のある未散さんが、新進気鋭の若武者として送り込んだ尽さんの足跡。
MASKのボーカリストは2人とも、その後に組んだバンドでメジャー進出しているというのも、なんだか興味深いですよね。
＜過去のMASKに関するレビュー＞
XxxXマスター