ELECTRIC ROMANCE / Anli Pollicino | 安眠妨害水族館

安眠妨害水族館

オバンギャと初心者に優しいヴィジュアル系雑食レビューブログ

ELECTRIC ROMANCE [初回限定盤C]/Anli Pollicino

¥1,080
Amazon.co.jp

1. Angel Heart
2. Obsession
3. LOVE☆マジカル
4. Lips to Lips
5. 白雪
6. TSUBAKI
7. Secret Romance
8. FAKE
9. Where is love?
10. Colors

ゴールデンボンバーやギルドと同じZany Zapに所属するAnli Pollicino。
前作より、1年7ヶ月ぶりのリリースとなる3rdアルバムです。

上述のバンドの後輩という位置づけにはなるものの、結成は2008年と、相応にキャリアを重ねている彼ら。
いよいよ、覚醒してきた感もあり、ネクストブレイク候補として名前を挙げられる機会も増えてきました。

彼らの強みは、デジタルサウンドを駆使して奏でられるダンスナンバー。
もっと素直なV-ROCKを追求していた時期もあったのですが、近年は、ポップさやキャッチーさを注ぎ込むことにためらいがなくなったのか、個性を伸ばす方向にシフトしてきた印象です。
バンドサウンドよりも同期が目立っていたり、ボーカルもデジタル加工が施されているなど、楽曲のポテンシャルを最大限に発揮しようと吹っ切れた。
骨太なロックサウンドを期待してしまうと肌に合わない部分はあるのかもしれませんが、現代ポップスとの相性はぴったりで、時代が追いついたといったところでしょうか。

シングルである「Angel Heart」からスタートする本作。
キラキラしたシンセとデジタルボイスにより、ダンサブルなサウンドを構築。
ベースとなる音楽性を示していきます。

ポップすぎるくらいに弾けた「LOVE☆マジカル」、バンドサウンドを強めてハードに振れた「Lips to Lips」、切ないバラード「白雪」など、その中でもバリエーションは十分に持たせて。
個人的には、淡々と進行しながらも、切なさを駆り立てる「TSUBAKI」が好みだったり。
何を押し出すかの割り切りがはっきりしているのが、センスの良さを表していますね。

ラストには、代表曲となっていくのであろう「Colors」を。
ソフト・ヴィジュアル系とも親和性が高そうな、爽やかなアッパーチューン。
演奏面も、なかなかしっかりしていて、なんだかんだ、ロックバンドであることを、サウンドで主張します。
Vo.Shindyさんの艶っぽい声は、案外、こういう楽曲にも映えるのだな。

成長が見て取れる。
これまでは、正直なところ、よくあるキラキラ系バンドのひとつというイメージだったのだけれど、ここまでやってくれると、個性として際立ってくる。
先輩バンドのバーターとしてではなく、実力でブレイクを勝ち取るだけの潜在能力は秘めていそうです。

ちなみに本作は、4種類が存在。
それに拒否感を示す人もいそうですが、収録曲は、どれも変わらず。
映像作品の付かない、CDのみのCタイプは、10曲入りで1,080円と、破格の値段ですので、お試し感覚で手に取ることも可能。
ここで一気に名前を売って、飛躍の年にしていきたいところです。