FAREWELL / SCISSOR | 安眠妨害水族館

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FAREWELL/SCISSOR
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1.FAREWELL
2.BeautifulSky

SCISSORの2005年にリリースしたシングル。
三部作の第3弾として発表され、結果的に、彼らのラストシングルとなりました。

Vo.MIKI(Mix Speaker's Inc.)、Gt.シノ(MiU)、Ba.Tsunehito(D)、Dr.子雲(ex-ケミカルピクチャーズ)という解散時のメンバーでのレコーディング。
4人編成も馴染んできた矢先、解散はショッキングでしたなぁ。

内容としては、三部作の最後だからか、バンドの解散までも見通したうえでか、タイトルどおり、ラストの予兆といったところ。
表題曲の、「FAREWELL」は、7分を超えるバラードです。
ストレートな構成ながら、キメが入るBメロから、サビへ流れていく展開は、ドラマティック。
MIKIさんの声質に、壮大なバラードはマッチしないかな、と思う部分もあるのですが、個性的で癖のある歌い方があってこそ、SCISSORの楽曲だ、という認識も持てるため、これはこれで集大成と言えるのかな。

カップリングの「BeautifulSky」は、彼ららしいメルヘンポップ。
オルゴール風のSEから、アップテンポに駆け抜けるイントロに入っていくと、そこからは、トコトコとしたリズムで、軽快に進んでいきます。
サビで開けるように広がっていくメロディは、とても耳ざわりが良く、余韻を残す。
例えるならば、アルバムのラストに収録されるような楽曲で、これまた、締めくくりとしてはふさわしいタイプのナンバーですな。

彼らは"世界観のあるお洒落系"なんて言われていましたね。
衣装はハロウィンの仮装のようであり、フォーメーションばっちりのフリは、コミカルで面白い。
お洒落系の要素を、"魅せる"という方面に特化することで、コミカルでメルヘンな世界観を作り上げていました。
メンバーのその後のバンドでは、MIKIさんが在籍するMix Speaker's Inc.に、ある程度引き継がれていますかね。
本作では、ストレートさのある2曲が収録されたため、その辺のパフォーマンスを意識させるには少し弱いかもしれませんが、バンドの最後の作品としては、こういう内容もアリでしょう。

三部作の残り2枚は3曲入りだった中、これだけ2曲入りというのは、少し寂しい。
意図的なのか、大人の都合か。
もっともっと、色々な楽曲を聴きたかったというのが本音。
かわいいけれど、どこか癖のある、彼らのサウンドが、時折懐かしくなります。

<過去のSCISSORに関するレビュー>
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