神聖かまってちゃん / の子 | 安眠妨害水族館

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神聖かまってちゃん/の子
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1. 肉魔法
2. グロい花
3. ベイビーレイニーデイリー
4. ロックンロールは鳴り止まないっ
5. 夕方のピアノ
6. あるてぃめっとレイザー!
7. ぺんてる
8. 自分らしく
9. Os-宇宙人
10. いくつになったら
11. おっさんの夢
12. 美ちなる方へ
13. 友達なんていらない死ね
14. 23才の夏休み
15. 映画
16. 躁鬱電池メンタル

このカテゴリーでのレビューは1年以上書いていなかったようで。
たまには、ということで、バンギャル層との親和性が高そうなところから。

本作は、神聖かまってちゃんのボーカリスト、の子さんによるソロアルバム。
タイトルどおり、バンドの楽曲のセルフカバー集となっています。
真っ黄色なジャケットが、妙に目立つなぁ。

もともと、神聖かまってちゃんの魅力は、キ○ガイじみた狂気にほかならない。
歌詞もそうだし、美しい旋律とヘタウマな歌唱とのギャップもそうだし、ボイスチェンジャーを使ったヘンテコな声色もそう。
ひとつひとつのアプローチが斬新で、本当に気が狂いそうになる。
音楽スキルという点では未熟な点も多いのですが、率直だったり、下世話だったり、思ったことをそのまま垂れ流してしまうような感性の露出は、サブカルをこじらせた層や、いわゆる中二病患者には、ぐさっと刺さること請け合いなわけです。

このセルフカバーでは、ボーカルはともかくとして、演奏面が大きく改善されている。
ネックであった部分でレベルアップが図られたのだから、さぞかし名盤になったのでは、と思っていたのですが、なんだろう、この不完全燃焼感。

楽曲の構成や、アレンジにおけるイメージは大きくは変わっておらず。
その中で、演奏は確かに洗練されているのだけれど、持ち味である狂気性との兼ね合いを考えれば、必ずしも上手く演奏するのが全てではないのだよね。
難しいところです。

バンドではなく、ソロ作品という意味では、もう一味求めたかったというのが本音。
尖ったナイフだった少年少女が、大人になって、恥じらいを覚えてしまったような。
演奏クオリティが上がっているにも関わらず、割り切れないモヤモヤが残るのは、そういった寂しさ、切なさを感じてしまうからだったりして。

収録曲としては、代表曲やレア曲など、押さえるべきところを押さえているので、単なるベストアルバムとして聴けば、ハズレはしない。
ボリュームもあるし、通常盤にはボーナストラックまで収録されています。
耳馴染みがマイルドになっていることもあり、一応、初心者向けとしては良いのかも。