ソウルエクスタシー / シンディケイト | 安眠妨害水族館

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ソウルエクスタシー/シンディケイト
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1. ソウルエクスタシー
2. フィッシュファイト

残念ながら、解散が決まってしまったシンディケイト。
無料ワンマンツアーと合わせて、通販&会場限定で販売されていたシングルでしたが、東日本大震災の影響で、ツアーを自粛せざるを得ない状況もあり、その後、一般発売されています。
所属が、UNDER CODE PRODUCTIONですので、もとより、そのつもりだった可能性はありますが。

”ダサカッコイイ"をコンセプトに活動してきた彼ら。
基本線としては、綺麗目なヴィジュアルロックをベースにしているものの、そこに、ネタ要素だったり、古臭い歌謡曲要素だったりを取り込んで、あえてダサさでアクセントを加える音楽性。
そのため、楽曲にはムラがあるイメージはあるのですが、歌モノ系の楽曲は、案外レトロ好きには響くところがあるのではないかと思ったり。

収録曲は、ともにライブでの定番曲。
「ソウルエクスタシー」は、ディスコを意識したようなダンスナンバー。
合いの手的に挿入される台詞が、本当にダサいから戸惑うのだけれど、楽曲そのものは、なかなか好み。
ギラギラした雰囲気と、アダルティなメロディが、上手い具合に絡まっています。
コーラスワークが印象的なサビは、一度聴けば覚えてしまいそうなインパクトもあり。

カップリングは、意図せず代表曲になってしまったとメンバーが語る、「フィッシュファイト」。
メンバーが釣竿を使って餌を客席に投げ込み、オーディエンスと引っ張り合いをするというパフォーマンスが受けて、ということなのですが、完全にライブ向けの曲として作られていますよね。
序盤は、ワルツ調で穏やかに進んでいくのですけれど、サビになると、急激にテンポアップして、逆ダイ上等の煽り曲に。
この曲のフィッシングに挑むという世界観の中では、「かかってこい!」というド定番ながら、実際のところ意味がよくわからないの煽りにも、必然性を持たせることができてしまう。

どちらも、ライブありきで完成する曲かなぁ、と思いつつ、音源としても、彼らの良さが伝わるように寸劇を入れたり、ライブ感を持たせたり、工夫されたパッケージにはなっているでしょうか。
それゆえにネタ耐性がなければ、抵抗感がある内容になってしまう部分はあるのですが、真面目にこなしてほしい楽曲もある反面、やはり、それだけでは引っ掛からないのも確か。
このダサさが、バンドの個性であるのは間違いないので、あとは好みの問題ということで。

2曲とも、解散に伴い発売された「ベスト オブ ダサカッコイイっ!2007-2012 "NUDY&COOL"」に収録されているので、総括的に振り返りたい人は、こちらのの購入をおススメします。
このバンド、シングル中心、それも、カップリング違いで数種類あるというリリース戦略だったため、なかなか全曲集めるのが困難だったのですが、ベストでの網羅性が非常に高く、スペースコストの圧縮が可能。
その分、値段は高めなのがネックなのですけどね。