UNDER:COVER 2 / T.M.Revolution | 安眠妨害水族館

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UNDER:COVER 2(初回生産限定盤)(DVD付)/T.M.Revolution
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1. LEVEL 4
2. 蒼い霹靂
3. IMITATION CRIME
4. INVOKE
5. last resort 
6. 独裁-monopolize-
7. とっておきのおはなし~新説恋愛進化論
8. O.L
9. Burnin’ X’mas
10. SHAKIN’ LOVE
11. Out Of Orbit ~Triple ZERO~
12. WILD RUSH
13. Albireo-アルビレオ-
14. vestige-ヴェスティージ-
15. Tomorrow Meets Resistance

T.M.Rのセルフカバーベストの第二段。
ファンからの投票により選ばれた15曲を、様々なゲストによるリアレンジを施したうえで再録。
金額的に手を出せませんでしたが、完全生産限定盤は、更にボーナスディスクとして、「Meteor-ミーティア-」が収録されています。

第一弾は、ヒット曲が中心だったこともあってか、ライブで演奏されることが前提のようなアレンジが多かった。
もっと言えば、abingdon boys schoolでT.M.Rの楽曲を演奏したら・・・といった構成でした。
本作は、第一弾の選考から漏れた楽曲からのラインナップになっているという意味では、裏ベスト的な内容であるせいか、ライブで演奏できるアレンジというしがらみから解き放たれ、アレンジのバリエーションが広がったという印象です。

ライブでおなじみの「とっておきのおはなし~新説恋愛進化論」や、「Albireo-アルビレオ-」は、やはりバンド感を押し出して、ヘヴィーなロックチューンに仕上げた一方、「IMITATION CRIME」や、「WILD RUSH」なんかは、DJやラップなどを加え、クラブサウンドに近づけている。
前者では、JESSEさんがラッパーを努め、軽快なダンス・テクノに、後者は、m-floのVERBALさんがリミックスを手がけた本格派テクノに進化しました。

ゲストが入って生まれ変わった楽曲と言えば、May.Jさんが参加した、「last resort 」。
淡々としたミディアムナンバーが、壮大なバラードに。
原曲では、シンセが奏でていたフレーズを、女声ボーカルによるR&B風コーラスに差し替えたことで、一気にドラマティックになった。
オリジナルもかなり好きなので、甲乙つけがたいのですが、一般層へはアピールしやすくリメイクされたと思いますので、こういう企画ベストに入れる分には良いのではないかと。

そして、当ブログの趣旨からして、忘れていけないのが、「SHAKIN’ LOVE」。
the GazettEが参加し、V-ROCKライクなノリが付加されました。
西川さんのハスキーな歌声と、硬派なシャウトとの掛け合いは新鮮で、ダンサブルでポップなオリジナルのイメージを覆す。
ついつい、バンギャルっぽいノリを頭の中に思い浮かべてしまいますね。
収録曲の中では、マイナーな楽曲ということもあり、アレンジに対する違和感が薄かったのも、奏功したかもしれません。

原曲に近いアレンジと、原曲を壊すアレンジのバランスが、2:8くらいでしょうか。
トリビュート盤ならともかく、セルフカバーであることを勘案すれば、このくらい遊んでくれたほうが、面白みがあって良いかなと個人的には思います。

欲を言えば、懲りすぎて、爽快感が失われてしまっているというか、演奏のレベルアップに伴い、難解な方向に進みすぎている気はしないでもない。
15曲もこってりしたアレンジが続くと、良くも悪くも、おなかいっぱい。
そのままシングルで切れるくらいの、ストレートさを求める楽曲があっても良かったかな。

さて、本作を踏まえて、今後のライブはどうなっていくのか。
第一弾のリミックスは、そのままライブ・アレンジとして定着しているようです。
音源としては楽しく聴けるのだけれど、このアレンジが、今後のライブのスタンダードになると微妙ってのはあるよなぁ。
やっぱり、浅倉大介節があってこそのT.M.R。
デビュー曲である「独裁-monopolize-」を、浅倉さんが再アレンジ!
確かに熱いっちゃ熱いのだけれど、これが話題になって盛り上がるってのも、複雑な気分です。

<過去のT.M.Revolutionに関するレビュー>
CLOUD NINE