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1.るりたま三兄妹競争曲
2.飯つかい
3.菜のはな
4.お嫁さんは?
5.宝せきばこ
6.照々ぼおづ
7.を昼さがり
8.なで肩
9.れんげ畑
10.ぐみの実
11.はなれ孤島
12.も暗
13.お布団の仲
14.天満でとどけ…
村人純恋歌合奏学園、というコンセプトで活動していた、るりたまのフルアルバム。
2002年の作品です。
このバンドは、とにかくアクが強い。
ヴィジュアル面や、キャラ設定だけを見れば、ただのネタバンド。
このシーンではネックとなるはずの、顔が長いとか、鼻が大きいとか、見た目上のコンプレックスですら、歌の中で笑い飛ばしてしまうくらい。
まったく、格好つける気がありません。
しかしながら、音楽は非常に個性的で、オリジナリティに溢れている。
田園風景での青春のワンシーンを切り取ったような、土着的なメルヘンポップ。
歌謡曲、民謡、童謡・・・
これ!というジャンルを見つけ出したいのだけれど、いまいち、しっくりこない。
あえて言うなれば、「みんなのうた」で流れてきそうな音楽性。
わかりやすくてキャッチーなのだけれど、一般的なポップスと言い切るには抵抗があるような。
音使いについても、とても多才。
打ち込みのクオリティには時代を感じるものの、鍵盤、ストリングス、ピコピコ、和楽器などなど、決め打ちせず、その楽曲にハマるサウンドアプローチを見つけてきては、色付けしていきます。
ハードさや疾走感など、ヴィジュアル系特有の要素は皆無で、子供が口ずさみたくなるようなフレーズにこだわったメロディラインも特徴ですね。
これだけ癖の強いバンドでありながら、ボーカルの歌声は、びっくりするほど、あっさり系。
穏やかでおっとりした歌い方で、ほんのり沁みる。
NHK教育で、アニメーションと一緒に流れてきたら、まさかキワモノ系のヴィジュアルバンドとは思うまい。
リリースから10年経っていますが、これに似た音楽を奏でるバンドは見たことがないです。
だからか、古臭さは気にならず、むしろ、新鮮さ、斬新さに衝撃を受けた。
この手の音楽を、世界観の中でやりきってしまえるセンスは未知数すぎる。
魅せ方が多様化した現代に登場していたら、もっと知名度も上がっていたでしょうな。
もったいないのは、曲調が似通ってしまったこと。
サウンドアレンジにより、変化はつけているものの、スピード面からのメリハリがないので、14曲というボリュームは、聴き疲れをしてしまうか。
まったりしすぎて、間延びするところは否めません。
悔しいけれど、「お布団の仲」は名曲だなぁ。
のんびりした空気があるアルバムの中で、切ない余韻を滲ませています。
ラストスパートに持ってくるだけはある。
ロックとも、ポップともつかない、万人受けはしない方向性のバンドではあるけれど、個性を際立たせたキワモノが好きなら、面白いアルバムに仕上がっているのかと。
あまり見かけませんが、手にする機会があれば。